内容説明
シエルトーレ。
それは広大な荒野に突き刺さるように建造された超大型の『塔』。十の層から作られたその『塔』は上層と下層という概念で区切られ、上層の民が下層の民を管理するという役目を背負っていた。『塔』に生まれた人々は、すべてが生まれながらにして罪人であり、常に苦痛と共に生きることを強いられる。そんな恐ろしい世界のなかでも、苦痛を和らげ、安寧をもたらす存在がいた。ーー魔女。シエルトーレの最上階、第十層に存在すると言われるその存在が、塔に暮らす人々すべてに安らぎを与える。故に人々は魔女を崇拝し、信仰し、愛するのだ。
「あァ? 何が魔女だ。くだらねェ」
どの世界においてすら、異能をもたらす魔法の本『グリムノート』より選ばれし、少年が今、シエルトーレへと足を踏み入れる。
苦痛を耐え、死を恐れず、恐怖に立ち向かう彼の前に立ちふさがるのは、新たなる試練。
『赤ずきん』『シンデレラ』の完全浄化を成し遂げた御空マヒルを待つのは、最高難易度の世界『ラプンツェル』。
「まったく規格外のキャラクターだ。想定外は嬉しいが、どうしてだろうね。君のことはあまり好きになれそうにないよ」



