新潮文庫<br> サンセット・パーク(新潮文庫)

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新潮文庫
サンセット・パーク(新潮文庫)

  • 著者名:ポール・オースター【著】/柴田元幸【訳】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 新潮社(2025/11発売)
  • GWに本を読もう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784102451212

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内容説明

恋人をフロリダに残し、ブルックリンへと逃亡したマイルズ。彼を待っていたのは、一軒の廃屋と将来への不安を抱えた三人の仲間だった。気のいいドラマーのビング、画家志望のエレン、博士論文執筆中のアリス。景気が後退の一途を辿る中、不確かな未来へ踏み出そうとした彼らに突き付けられた無慈悲で甘くない現実とは……。失うものの方が多い世界で、まだ見ぬ明日を願った若者たちの物語。(解説・松村美里)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Porco

20
何者でもない4人による青春群像劇。切ないし救いは無い甘くもない。こう書くと痛みや苦しみを代償に何かを得たりする話なんだろうとなるのだが、本作は親の立場の話も書かれた上で、自分で離れた親の元に帰らざるおえない状況だったりとイヤに生々しい。明るさや希望が感じられる時はあるけど、居心地良いだけの場所で緩やかに向かっていた未来の破綻という結末が、予定通り訪れてしまったような話だ。良い未来を願うものの変わらず何者になれないまま時間だけを空費して終わった若者は、今までのオースターでは見られなかったキャラな気がする。2026/01/16

miaou_u

14
誰もが抱える不安の正体、過去、未来。綻んだ糸を繋ぎ合わせようともがいても、ちぐはぐな継ぎ目、決して綺麗な一本の線にはならない。時代や政治、何かのせいにしてしまうのは簡単だ。けれどそれは、罪であったり、マイノリティであったり、家族や友人、男女のすれ違いであったり、、其々の人々が抱える「何か」からの逃避にすぎない。混沌とした世界のなかに生きる人々の群像劇の、名もなき人々、そのなかに自分も生きている。日々起こる暗澹としたこの世界のニュースを憂いながら、自分を生きる、今を生きる。2026/02/22

ぼむ☆

13
絶えず喜怒哀楽の内の2つの感情が同居しているような登場人物たち。親、兄弟、友人、恋人、形だけは単純でも感情まで含めると、微妙な距離感を与えられた人間関係で構成されている。そして章ごとに登場人物が交代しながら主人公役を務める。各主役たちはそれぞれ苦悩や挫折を抱えており、その人物たちが2人でいる場面は多くても、セリフは比較的少なく、思慮が多く描かれる。経済的な不安を抱えたニューヨークを舞台に、穏やかに展開する『再生』の物語。最後をどう捉えるか迷うが、やはり再生の物語でいいのだと思う。2025/12/04

Acha

12
オースターとの出会いが『スモーク』(映画)だったせいで、いつまでも雰囲気に気圧されている。一人の青年に当たったスポットが、別の誰かを照らし、光の連鎖が物語を浮き彫りにしていく。始まりの個はやや不穏、そこから群像劇になっていくが、語り手が移ってそれぞれの個が深まるので、確かにざわつきは少ない。不適切な彼女とか不法侵入でのシェアハウスとか危うい要素が多く、明るい展開になってもハッピーな終わりが予想しづらかったが、ラスト、突然薄まっていく光につい手を伸ばしたくなる。消えないことを願ってしまう。2026/03/30

ゆうすけ

9
今年も本書で読み納めだと思います(51冊読みました)。家族が帰省した静かなリビングで読むには適しているチョイスでした。多分高校生や大学生の頃からオースターは読み続けていて、新潮文庫から出ている小説は殆ど読んだ気がする(ただ『写字室の旅』は途中で挫折してしまった)。若者が主人公で、下ネタ多めの本作ですが、読みやすくはないけどなんとも言えないパワーを持っている。野球選手の名前とか、登場人物がそこそこ多い。今回も柴田訳を堪能できた。そしてオースターが亡くなってしまい、もう新作を読むことができないのが悲しい限り。2025/12/30

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