内容説明
名判官だった祖父・失踪した父・重責に戸惑う息子――町奉行を家職とする三代それぞれの葛藤を描く。
18歳の草壁総次郎は、何の前触れもなく致仕して失踪した父・藤右衛門に代わり、町奉行となる。
名判官と謳われた祖父・左太夫は、毎日暇を持て余す隠居後の屈託を抱えつつ、
若さにあふれた総次郎を眩しく思って過ごしている。ある日、遊里・柳町で殺人が起こる。
総次郎は遺体のそばに、父のものと似た根付が落ちているのを見つけ、また、
遺体の傷跡の太刀筋が草壁家が代々通う道場の流派のものではないかと疑いを持つ。
さまざまな曲折を経て、総次郎と左太夫はともにこの殺人を追うことになるが、
果たして事件の真相と藤右衛門失踪の理由とは。
第165回直木賞、第34回山本周五郎賞候補『高瀬庄左衛門御留書』の砂原浩太朗が描く、
令和の時代小説の新潮流「神山藩シリーズ」第三弾。
~「神山藩シリーズ」とは~
架空の藩「神山藩」を舞台とした砂原浩太朗の時代小説シリーズ。
それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、統一された
世界観で物語が紡がれる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
イシカミハサミ
13
神山藩シリーズの3作目。 とはいえ各作品に 物語上のつながりはないので、 どこから読んでも問題ないです。 内容としては、 今回はミステリー要素強め。 代々、藩の町奉行を務める草壁家の現当主、 藤右衛門が失踪。 やむなく町奉行の地位に就く息子・総次郎。 目前で起こった辻切り。 総次郎はかつて名判官と謳われた祖父・左太夫の元へ向かう……。 事件の捜査を縦糸に、 父と息子、男同士の親子を紐解く。 シリーズ同士の時系列も明らかになって、 これからの神山藩の物語も楽しみになる。2025/12/28
ふみえ
7
こいつだったとは騙された。親子三代の男たちが、もどかしくも愛おしい。言葉少なに酒を飲み交わす、そんな関係も悪くない。2025/12/24
あつし@
5
神山藩シリーズの3作目。文庫判で読了した。静かにゆっくりと進む物語のリズムと丹念な描写が好きだ。読み上げた後ためしに「花鳥風月」という言葉にある「花」と「鳥」を作中から拾いあげてみた。【花】躑躅・木蓮・菫・花蘇芳・梔子・芍薬・紫陽花・木槿・百日紅・蛍袋・桔梗・竜胆等 【鳥】鶯・鳶・梟・燕・時鳥・鵯・海鵜・黄鶲・尉鶲など。これらの花鳥だけでも色や音、香りが想起されて物語が豊かになるような気がする。作品としては「高瀬庄左衛門御留書」「黛家の兄弟」の順に面白かったと感じた。 2025/12/28
マサオ-
2
町奉行を家職とする草壁家の祖父と孫の話し。孫は、成長物語り、祖父は、生きて日々を振り返り、子供と接するのにあーすれば良かったかなと振り返り日々を過ごしていく。話しは淡々と進み、ミステリー要素も含み、最後活劇シーンも有りと飽きさせることは無かったが、特に話しにのめり込む事も無かった。前作の神山藩シリーズに比べてちょっと物足りなさを感じた。2025/12/21




