内容説明
それはわたしの人生に、ひさしぶりに点った、遠い目標だった。
壁も屋根も、街全体が真っ青でまるで夢の中に迷い込んでしまったような、モロッコのシャフシャウエン。二十七歳の岬はここに「自分を少し捨てに」やってきた。グラスにあふれんばかりの生のミントと熱くて甘い緑茶を注いだミントティーや、帽子のような鍋に入ったレモンとチキンのタジン。初めての景色と料理に出会った岬に、予想外の事態が起こり……。(「ジブラルタルで会えたら」)長年の介護が突然終わった佳奈は、アイスランドを訪れた。胸を突かれるように美しい氷河湖や、屋台で買って頬張る熱々の“全部のっけ”のホットドッグ。輝かしい未来なんて想像もできなかった佳奈だけれど、胸にある思いが湧きあがる……。(「オーロラが見られなくても」)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
293
近藤 史恵、5作目です。本書は、海外の旅をテーマにした連作短編集、オススメはエアーチケットも付属の「遠くの縁側」&表題作「オーロラが見られなくても」となります。 https://www.kadokawa.co.jp/product/322502001269/2025/12/18
ひさか
214
22年7月角川文庫おいしい旅初めて編:遠くの縁側、野性時代25年7月号パンケーキとイクラ、3月号ジブラエルで会えたら、23年10月角川文庫おいしい旅しあわせ編:オーロラが見られなくても(加筆修正)、書き下ろし:マイナス12度のアイスキャンデー、の食べ歩き旅のお話5編を2025年11月角川書店刊。外国で食べ歩く人達が元気になるところが楽しくて良い。おいしいと癒されて元気になり、気づきや理解が得られる。ありそうなことで、自分でも確かめたくなってしまった。本に綴じられた橋本乙葉名義の航空券が面白い。2025/12/29
旅するランナー
190
海外の旅先での街·人·食べ物との出会いを爽やかに描く5短編。オランダ、リトアニア、モロッコ~ジブラルタル、アイスランド、ハルビン。マルセル·プルーストの名言「本当の旅の発見は新しい風景を見ることではなく、新しい目を持つことにある」の通り、悩み事への答えを見つける旅になる。さらに角川エアの航空券が本に挟まれていてることもあって、それぞれの土地を旅しているような気分も味わえます。2026/04/19
hiace9000
180
自分ひとりのためだけに時間を使い、見知らぬ場所で人や料理と出会う。ほっこりとした余韻に包まれる味わい深い近藤流「旅」の短編五話。主人公らは女性として生きる日々の傷心や屈託から逃れ、旅先でわだかまりの荷を下ろし新しい自分に気づいていく。表題作はじめ、いずれも旅先はいわゆるメジャースポットとは少し異なる場所。旅の非日常が劇的で革新的な何かを彼女らにもたらすわけではない。ただ違う場所からの見つめ直しが観せてくれる景色や嫌いなものの捉えなおしが、自分のなかの歪みと、拗れた他者との関係性を緩やかに整えてくれるのだ。2026/02/01
Karl Heintz Schneider
177
いずれも海外を旅する5人の女性の物語。少し読んだだけで、すぐに未踏の北の大地に連れて行かれた。5人が旅立った理由は様々だけど、それぞれの想いがほぐされていく様もまたいい。「心のどこかに、言うことを聞かない赤ん坊がいて、だだをこねている気がするんです。」自分の中では折り合いをつけ、納得したはずなのに胸の奥底にそうじゃない!と叫ぶ存在がいる。いまさらどうすることもできないけれど、たたひとりでも、わかってくれる人がいればいい。旅先で出会った人ならなおのこと。2026/01/06
-
- 電子書籍
- イケメンCEOは幼馴染みのファーストキ…
-
- 電子書籍
- 僕とアリスの夏物語 人工知能の,その先…
-
- 電子書籍
- お化けカフェ 14 NETCOMICS
-
- 電子書籍
- 高嶺の蘭さん 分冊版(6)
-
- 電子書籍
- 「わたしの世界」から「わたしたちの世界…




