内容説明
コロナ禍だからこそ成立する出色のミステリ
あなたのお父さんは、殺人犯なの――?
ネグレクト、貧困、そしてコロナが少女たちを追い詰める。
タイトルの真の意味がわかった時、きっと胸が熱くなる。
現代社会の闇に迫る切ない社会派ミステリー
小学五年生の咲陽は、「父親が仕事で帰ってこない」という同級生の小夜子を心配して家に連れ帰る。
だが、コロナを心配する母親に小夜子のことを言いだせないまま、自分の部屋に匿うことに。
翌日、小夜子を探しているという刑事が咲陽の家を訪ねてくる。
小夜子の父親が、ラブホテルで起きた殺人事件の犯人ではないかと疑念を抱く咲陽だが――。
『希望が死んだ夜に』で「子どもの貧困問題」に、続く『あの子の殺人計画』で「子どもの虐待」に迫った〈仲田・真壁〉の神奈川県警刑事コンビが、「コロナと貧困」の陰で起こった事件に挑む。
話題の社会派ミステリー第3弾!
解説=吉川ばんび
単行本 2022年2月 文藝春秋刊
文庫版 2025年11月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
したっぱ店員
41
この作者さんは苦いのだけどついつい読んでしまう。コロナ禍の諸々が細かく描写され、まざまざと当時の閉塞感が蘇った。この息苦しい日々の中、追い詰められた人々の巻き起こす事件。子供たちの精一杯がいじらしくも痛い。助けないといけない人は助けたい顔をしていないという事実が刺さった。明るい結末は期待できないながら、先が気になって気になって一気読み。咲陽のこれからに幸あれ。2025/12/03
よっち
28
父親が仕事で帰ってこない同級生の小夜子を心配して家に連れ帰った小学5年生の咲陽。母親に小夜子のことを言いだせないまま、こっそり部屋に匿う第3弾。翌日、小夜子を探して咲陽の家を訪ねてきた刑事の様子から、小夜子の父親が殺人事件の犯人ではないかと疑念を抱く咲陽。状況が激変すると起こりうるかもしれない、と思わせる切実な展開で、冷徹な事実だけでなく心の機微を読み取る仲田刑事の想像力も大きかったですが、信頼関係とは何か、いつの間にか無意識のうちに影響を受けていたことが分かる描写の積み重ねがとても印象に残る物語でした。2025/11/06
hukkey (ゆっけ)
18
コロナ禍に起きた殺人事件に、間接的に巻き込まれた小学生の咲陽と、神奈川県警の真壁の視点で迫るミステリー。生安の女性刑事 仲田蛍の名"想像"も健在。あの頃は失業や貧困が相次ぎ、性風俗を余儀なくされる女性も増加。諸問題が露呈したものの、それらは今に始まった事ではなく、潜在していたに過ぎない事実を改めて突きつけられる。苦しむ前に手を打たなかった方が悪い。私には関係ない。自己責任。そんな辛辣な言葉に便乗し、いっそ同級生の小夜子をキライになれたら楽だろうに、目を背けない姿は自分たちが見習うべき姿勢なのかもしれない。2025/12/22
ツバサ
16
コロナ禍の皺寄せを受けた大人と子供を描いている。確かにニュースで見たことあるなと思っていたが、そう思う段階で他人事だったんだなと痛感させられました。切実な被害者の無念を想像するとやるせない気持ちになりました。少女2人の秘密の生活とその行方も目が離せませんでした。2025/11/07
なみ
13
小学5年生の咲陽は、貧困に苦しむ同級生の小夜子を部屋に匿う。 しかし小夜子の父親には、ある殺人事件の犯人かもしれないという疑惑がかけられて──。 コロナ禍のときの不安や恐怖を思い出しましたし、コロナによって色々なものを失ってしまった人がはっきりと描かれていて、胸が苦しくなりました。 ラストの展開がすごく良かったです。 最後まで読み終わった後にタイトルの意味がわかって、陽だまりのような暖かい気持ちになりました。2025/11/12




