たとえば「自由」はリバティか - 西洋の基礎概念とその翻訳語をめぐる6つの講義

個数:1
紙書籍版価格
¥2,970
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

たとえば「自由」はリバティか - 西洋の基礎概念とその翻訳語をめぐる6つの講義

  • 著者名:渡辺浩【著】
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 岩波書店(2025/10発売)
  • 梅雨を楽しむ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~6/14)
  • ポイント 810pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000617260

ファイル: /

内容説明

幕末から明治の初め,西洋文明を形づくる基礎的な概念が日本に入り,さまざまな試みの末に「自由」「権利」「法」「自然」「公/私」「社会」といった翻訳語が普及した.これらは,果たして原語と同じ意味だろうか.日本政治思想史の研究者が,西欧における原義を探り,翻訳語の意味との相違を明らかにする連続講義.

目次

開講にあたって
表記について
第1講 「お金に不自由しています」FREEDOM.LIBERTY
1.「自由便当」とFreedom
(1)コンビニ
(2)奴隷でないこと
2.翻訳の試み
(1)困難
(2)試みの例
3.「自由」
(1)普及
(2)「自由民権」
(3)疑い
第2講 「武士の一分でござる」RIGHT
1.「利権」と「正しいこと」
(1)「権利」とは
(2)Rightとは
(3)「権」である「利」
2.翻訳の試み
3.「株」と「分」
第3講 「正義省」はどこに LAW
1.Law/right/justice
2.Law/Gesetz/loi
3.「法」と「理」
(1)清朝中国において
(2)徳川日本において
(3)維新前後
第4講 「この村は,本性がいっぱいです」NATURE
1.Nature/nature/Natur
(1)本性
(2)被造物
2.「自然」
(1)Spontaneous
(2)ズレ
3.「天」と「性」
(1)「天」と「天然」
(2)「性」
第5講 「それは公用ですか」PUBLIC/PRIVATE
1.「公用」
(1)混乱
(2)共通
2.Public/private
3.公/私
(1)共にする/しない
(2)重なる波紋
4.おほやけ/わたくし
(1)「公方」「公儀」「公界」
(2)入れ子
5.「公私混同」
第6講 「キミも,いよいよ社会人だね」SOCIETY
1.「社会国家」と「社会人」
(1)social/sozial
(2)交際
(3)世間
(4)「社会」
2.「仲間」「組」「連中」「社中」
3.「社」「会」「会社」

講義を終えて
人名一覧/史料一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

田沼とのも

20
直接に姿形を見たり触れたりはできない抽象的な概念は、その理解や他人との認識共有が難しい。自由、権利、正義などの概念はまさにそう。私の理解が隣人と同じとは限らない。ましてや言語や文化を異にする外国人とは、同じ認識を共有していない場合の方が多いだろう。それでもlibertyに自由と、socialに社会と訳語を当てて、日本は近代化、西洋化を果たしてきたのだが、一旦立ち止まってliberty≠自由となる部分に光を当てて、歴史を振り返って概念を分析してみる本書。なかなか手強い難しさだが、知的好奇心は刺激される。2025/12/30

MUNEKAZ

15
とても面白い本。タイトルにあるように西洋由来のLibertyと、それを翻訳した漢語由来の「自由」はそもそも意味が違う。そして我々日本人はそのズレを意識せず、普段から使い分けている。自らの権利を要求するときはLiberty(隷属状態にない)で語り、他人を非難するときは「自由(勝手気まま)」を使う。あるいは福沢諭吉が示したように「自主」の方がLibertyの本質をついているように感じるが、結局使われなかったのだから仕方がない。法・権利・社会など、なんと曖昧な翻訳語を使って、我々は世の中を語っているのだろうか。2026/05/11

どら猫さとっち

14
自由とか公私とか社会とか、何気なく使っている言葉。どんな意味で使っているのか、時々疑わしくなるときがある。そんなとき本書を読むと、こういうことかとわかってくる。福沢諭吉など、英語が理解できる人たちは、どうやって解釈し翻訳したかが興味深い。本書は社会学の基礎的な教科書としても読める。本当の自由はこうだとか、社会はああいったものだとか、訳知り顔で言う人たちには、本書を読んで欲しい。先人たちが訳した言葉は、実は大変奥が深いのだ。2026/01/04

のっち

13
☆☆☆☆★ ソシュールの言語学によると、初めに言葉(シニフィアン)があり、そこに概念(シニフィエ)が伴うというものだが、一方幕末から明治初期における日本では、西洋の概念がどっと国内に入り込み、これらの概念に訳語をあてる必要に迫られた。しかし、これらの翻訳語は果たして原語と同じ意味を成すのだろうか、ということを大変興味深く教授して頂ける内容となっている。例えば「自由」と訳された「リバティ」だが、その西洋での本来含まれた概念を知ると、世界史における市民革命の意義や背景もさらに色濃いものとして立ち上がってくる。2025/11/18

とりもり

5
今年一番の良書。とにかく著者の博覧強記振りに頭が下がる。特に疑うことなく使用している翻訳語について、原義との差異を根本から解きほぐしていく過程が目からウロコ。明治維新後に欧米流の思想を取り入れようと努力した当時の知識人たちが、様々な翻訳を考えたものの、結局はある程度馴染みのある言葉が生き残り、意を尽くした翻訳語の殆どは残らなかった。その結果、元々その言葉が持っていた意味と原義との微妙なすれ違いが生まれて、日本に真の意味での西欧思想は定着しなかったのではなかろうか。非常にオススメの一冊です。★★★★★2026/05/31

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22919940
  • ご注意事項

最近チェックした商品