内容説明
真実を封印した黒幕は誰か?日本書紀はどこまで「歴史」を知っていたのか、どこから「歴史」を秘匿したのか…。古代史最大のミステリー『日本書紀』の闇の部分を読み解く。
目次
序章 『日本書紀』は偽書なのか(なぜ古代史は謎めくのか;歴史を呪縛した『日本書紀』 ほか)
第1章 正史『日本書紀』これだけの謎(古代史にまつわるひとつの諦念;年代設定に矛盾がある『日本書紀』 ほか)
第2章 『日本書紀』は誰のために書かれたか(「『日本書紀』は天武のために書かれた」という通説への疑問;天智と天武が対立した理由 ほか)
第3章 『日本書紀』はヤマト建国も改竄した(『日本書紀』はどこまでまじめに編纂されたのか;聖徳太子をめぐる奇妙な記述 ほか)
第4章 不比等が企てた『日本書紀』のカラクリ(『日本書紀』に隠された本当の謎;平安天智朝が守り抜いた『日本書紀』 ほか)
著者等紹介
関裕二[セキユウジ]
歴史作家。1959年千葉県柏市生まれ。奈良に通い詰め、独学で古代史を学ぶ。1991年に衝撃的デビュー作『聖徳太子は蘇我入鹿である』を発表以来、古代をテーマに意欲的な執筆活動を続けている
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感想・レビュー
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とも
31
★★★☆日本書紀が、少なくとも正確な史実出ないことは周知であるとしても、少なくともある程度の信憑性ある正史であることにまでは疑わなかった。が、当書により大幅軌道修正せざるを得ない。歴史に突然現れた藤原氏の正体とは・・・。日本書紀が作られたほんとうの理由とは・・・。おそらく書かれていることの全てが真実でも、すべてが間違いでもないであろう。このなかから将来、以前学んだ歴史が修正されること、これもまた愉しみではある。2018/06/03
ランラン
1
日本書紀の書かれた目的とは何かが鮮やかに解明されています。その内容がどこまで正しいかは別にしても、古代史の真実に近づいていることは確かであると思います。2013/08/30
ひろゆー。
1
相変わらず論証が雑で荒い。証拠や証明を積み上げて組み立てるのではなく、目指す結論に向けて帰納的に一直線に話を進める。「~の事実」や「明らかに~」の「~」が全く著者の想像にすぎないことがかなり多く、彼の著作を読み込んでいないと意味不明な箇所が多い。それでも、通説では説明できない謎や出来事の相関の裏側を解き明かそうとする姿勢は評価する。古代史を考えるにあたって刺激的にすぎるが、権威付けられた通説を無批判に信じ込むよりは良いかもしれない。その意味では良書。2009/06/23