内容説明
昆虫ブームの中で減って行くオオクワガタ。著者は生息地を歩き、その生態を調べます。すると、稲作の変遷とオオクワガタの盛衰が関係していることが解ってきました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
就寝30分前
21
オオクワガタの生態を細かく調べ世間に発表したことで、結果的にマニアたちを刺激し山梨県のオオクワガタを壊滅に追い込んだと自責の念にとらわれている著者。確かにこの本を読んでいても、そこへ採りに行きたくなる。稲作の肥料にクヌギの細い枝や若い葉を使う地方では、切ったクヌギの跡がコブになり切れ目ができ、オオクワガタの住処になるそうだ。自分が住む石川県にはオオクワガタの採取が1例しかないので関係ないけど。児童書の形をした大人への警告書だ。2018/04/10
FOTD
18
甲府盆地(茅ヶ岳山麓)のオオクワガタは、刈敷(地元の言葉でカッチキ)農法のおかげで育てられたという話。刈敷があったから台場クヌギが育って、オオクワはそこで暮らせた。だが、この本で著者が本当に言いたいことは p.126「荒れる雑木林」以降だろう。人間が生きていれば環境破壊がつきまとう。水田や雑木林もそうしてできたものだ。だが、里山は人が関わり続けることで野生生物と共生できる環境が保たれるのだ。著者の言うように里山は環境破壊でできたものだが、新しい命を育む場になっている。ふつうの環境破壊とは意味が違う。2023/08/17
punyupunyu
8
「カブトムシ、山に帰る」を読んで著者の作に興味を持ちました。子どものころを思い出して、クワガタムシ、カブトムシの最終に再び熱中したのは上の子供が小学校にあがるころ、「ムシキング」の放映もあって、世の中はまさにクワガタブームでした。ホームページも華盛。心無い採集行為、外国産昆虫の放虫問題に憤慨する論調がどのHPでも見受けられました。すでに山梨県のオオクワガタは下火で福島が熱かったかな。そんなブームも、東日本大震災を機にすっかり去ってしまった感があります。2014/09/22
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
5
27年度4年生教科書掲載(参考)2015/06/19




