内容説明
「桃太郎」の冒頭で、お婆さんが川へ洗濯に行くのはいったいなぜ――? みんなが知っている昔話の裏側には、くすっと笑えるような「ひどい」民話が存在する。ひどすぎて表舞台からは敬遠されてきた民話たち。そんなお話を語った伝説的トークが文庫で登場! きな粉と老人が掛け合わさるとどんなひどいことになるのか。よく吠える犬の口に腕を突っ込んだら犬はどうなる? 民話集には絶対載っていないお話の世界へようこそ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
51
これは本当にひどいですね。下ネタ多い、汚い、オチなし。民話の下品さ満開です。よく分からない話も多いから、そういう意味でひどいと言ってるのでしょうか。しょうもないので暇つぶしにはいいかもしれません。2025/11/11
へくとぱすかる
39
すごいねぇ、「ひどい」ってそういう意味。昔話の絵本だと絶対に出てこないようなビロウな話、よく知られた話の別ヴァージョンの下品さ満載。笑いながら読んだけど、実はこういう今までネグレクトされてきた一面こそが、民話の民話たるエネルギッシュで重要な部分なんだろう。こんな話を収集するには地方小出版を丹念に探すのが近道らしい。全国的には広がっていないような。柳田民俗学がこういう部分を落としてきたというのはわかるような気がする。佐々木喜善ならどうしたかな。桃太郎が金太郎より新しいとは意外。物語の完成度が高いからか。2025/11/09
備忘録
24
息抜きに読むのに丁度よいくらいに、しょーもない民話の数々 個人的には凄く好きな本2025/11/03
Porco
23
ひどい民話を語る妖怪狂いおじさん4人組の対話集。汚ったない話が多いが単純にオチも無ければよく分からない話も多く、そういう意味でひどい民話というタイトルなのだ。わけわかないオチも無いし学びも薄いダメダメな話ばかりだが、その愚かさの加減が妖怪にも通じるところがあって彼らは好きになったんだなと感じる。みとこうもん,逆さ犬,半グレ桃太郎,屁ひり名人の話は、いやこんな馬鹿馬鹿しい話があるんだぜと、許される面子の集う酒の席で一席ぶちかましたくなる。コロコロコミックが生き残っている世の中なら多分まだ笑いを獲れる。2025/11/09
N島
20
民話の奥深さを思い知る一冊。ひどい民話を語るのはカドカワが誇る妖怪バカ三人衆ともう一人。学問的に無価値とされ、良識の波に埋もれた民話の数々ですが、その殆どがホームメイドの与太話では?という疑惑に胸が熱くなりました。思えば僕も祖母から『地方で有名な民話』を『先祖伝来の実話』として語られたことがあったなぁ…と、懐かしい思いに駆られました。デタラメでも良い…そういう文化を大切にしたいと思います。2025/12/05




