内容説明
<デビュー25周年>渾身の書き下ろし長編ミステリー! 結婚直後の妊娠と夫の転勤。その頃から夫は別人のように冷たくなった。彼からの暴言にも耐え、息子を育ててきたが、ついに暴力をふるわれた。そして今、自宅マンションの浴室で夫が倒れている。夫は死んだ、死んでいる。私が殺したのだ。もうそろそろ息子の翔が幼稚園から帰ってくるというのに……。途方に暮れていたところ、2週間前に近所でばったり会った大学時代のサークルの後輩・桂凍朗が訪ねてきた。「量子さん、問題が起きていますよね? 中に入れてください」と。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
313
12月の第一作は、伊坂 幸太郎の最新作です。伊坂 幸太郎は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本作は、作家デビュー25周年記念作品、今回は長編、予想外の展開で楽しめました。著者版『鏡の国のアリス』、ジャバウォックとは、👿悪魔憑きの一種でしょうか❓🐢 https://fr.futabasha.co.jp/special/sayonara_Jabberwock/2025/12/01
いなばさくら
201
帯には長編ミステリって書いてるけど、いわゆる一般的な謎解きとは違う、長編サスペンス的ミステリ。発行済単行本を全て読破している伊坂幸太郎さんの新作を発売日に購入し、翌日まで2日がかりで読了。いや、長編ミステリを平日にちょこちょこ読むのはやっぱアカンな。でも大好きな伊坂さんの作品を週末まで3日も積読しておくのも悔しくて、結局平日に読んだので、必ずしも内容を全て理解できていないのかもしれない。でもやっぱり伊坂さん的なストーリーは大変面白い。ていうか好きですね。読後にインタビュー記事を見たら、ミステリ作家として→2025/10/23
bunmei
169
『鏡の国のアリス』の魔物『ジャバウォック』というタイトルからして、これはファンタジーなのか?それともSF?サスペンス?様々な要素がギュッと詰まった、伊坂ワールド全開の新刊。登場人物名もユニークで、桂凍朗(かつらこごろう)伊藤北斎、破魔矢、絵馬等、遊び心満載。ある殺人事件をきっかけに、次々と繰り広げられる出来事に、違和感を持ちながらもその展開に呑みこまれていく。しかしラスト、その違和感の正体が時空を超えた世界との繋がりを見せた時、様々な布石が前半から鏤められていた事を知り、物語構成の巧みさを改めて感じた。 2025/11/12
やっちゃん
146
作者隠されて読んだとしても伊坂幸太郎と気づくであろういかにもな作風にニヤニヤしながら読む。終盤までずっとモヤモヤしてた世界が一瞬で晴れる気持ちよさよ。いつもの面白い言い回しがちょっと足りなかったかなー2025/12/15
しんたろー
141
伊坂さん新作は「デビュー25周年、渾身の書き下ろし」と帯で謳っている久々の長編。「もう、25年かぁ」と初期作品に夢中になった頃を思い出しながら読み始めると…「ん?伊坂さんぽくない?いやでも、やっぱり伊坂さん!」これまでと違う雰囲気を漂わせながら「伊坂節」と言われる著者らしいユニークな会話…多くのベストセラーを産み出した凄みさえ感じた。そして、昔からテーマにすることの多かった人間の善悪や本質、繋がり等を説教臭くなく読ませる。終盤の疾走感や伏線の回収も相変わらず見事で「ファンで良かった!」と素直に思えた良作。2025/11/11
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