内容説明
NHKドラマ化原作、火星と地球をめぐる壮大なヒューマンドラマ
地球外知的生命の探求のために人生をかけて火星にやってきた生物学者のリキ・カワナベは、とある重大な発見をする。いっぽう火星生まれの少女、リリ-E1102は、地球へに観光を夢みて遠心型人工重力施設に通っていた。様々な人の想いが交錯する人間ドラマ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
238
小川 哲は、新作中心に読んでいる作家です。 本書は、22世紀、火星を舞台にした群像劇でした。 NHKのドラマ化が決まっているようです。 https://www.nhk.jp/g/blog/2qeg1esst/ しかし21世紀の今の状況からすると、100年後でも火星には共住できていない気がします。 https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0005210469/2025/11/27
パトラッシュ
218
宇宙植民地独立運動がテーマのSFは『月は無慈悲な夜の女王』を基準に考えるが、残念だがハインラインほどの壮大さもドラマ性もなかった。舞台である火星と地球との距離が絶望的に遠いため、戦争も政治も双方でノロノロ進むしかなくエンタメとしての迅速な展開が望めない。問題のカギを握る物質スピラミンの有用性について漠然としたままで、火星市民を独立に駆り立てるには弱すぎる。黒幕である富豪マディソンが権力欲のない人とされ、悪や陰謀がほぼ描かれない。スペオペでないにせよ読ませる力となる強烈なアイデア不在はSFとしては致命的だ。2025/11/09
ふみあき
142
優しさと愛にあふれたSF。だけど優しさと愛にあふれたSFなんて、わたしは読みたかない。『ユートロニカのこちら側』や『ゲームの王国』みたいなトガったSF長篇が、もう一度読みたい。2025/11/01
ひさか
120
2025年10月早川書房刊。書き下ろし。女王はいつ出てくるのか?と読み進み、やっと出たら、大統領、応援団長まで出てきて、ラストに近い辺りのノリが独自で楽しい。爽快感あります。振り返ると、始まり辺りの気の滅入るようなエラーの話からの展開は、スカイダイビングのような感じがあり、小川さんの構築する世界観にすっかり魅せられていまいました。今年度ベスト級の内容です。全3回のドラマ化の方も楽しみです。2025/12/14
道楽モン
106
メディアミクス前提で、本書がテレビドラマの原作となるらしい。企画ありきだが、ストーリーその他の制限は無かったとの事で、お題からどこまで話を展開させられ得るかという、作者の技量を試されるものだ。SFをフォーマットとして、近未来の地球人から独立クーデターを企てる火星移住者との群像劇。中編としては器用にまとまった感はあり、種明かしされた謎も、キャラクター造形も面白く読めるものとなった。とはいえ読み手の想像を喚起し、未知の感動に導く程の手応えは感じられない。物語の構成や会話文体は確実に技量を上げている。次に期待。2025/11/16




