内容説明
「看護師」はひと昔前なら「看護婦」。神話の時代からある仕事とは? 「リケ女」のはしりは命がけ! 知っているようで知らない、仕事のルーツや歴史、時代背景を、「怖い絵」シリーズの中野京子が解説する絵画エッセイ。収録された絵画は中世から現代アメリカまで、全50点。宮廷音楽家、ファッション・デザイナー、女性科学者等、絵画に描かれた職業を鑑賞することで、今まで見えてこなかった西洋史のアナザーストーリーが見えてくる!
目次
はじめに
闘牛士 動物虐待か、スポーツか、はたまた神事か
侍女 宮廷の奥深くに入り込む「侍女は見た」!?
香具師 今も昔も変わらぬ騙し騙されの世界
宮廷音楽家 ライブが全てだった時代特有の苦労
羊飼い 社会のアウトサイダーにならざるを得なかった
女性科学者 「リケ女」のはしりは命がけ
道化 舞台でおどけて、楽屋で泣いて
警官 絵画の主役にはなりにくい役回り
思想家 簡単なことを難しく考えるのが仕事?
ファッション・デザイナー 衣装を見れば時代がわかる
大工 イエスと結びつき、神聖化された職業
看護婦 プロフェッショナルと認められるまでの長い道のり
政治家 ヘンリー八世に仕え、明暗をわけた政治家たち
修道女 神に捧げる一生ですら時代に翻弄されて
船頭 神話世界から続く職業も今や先細り
異端審問官 泣く子も黙らせ、良い子も騙すテクニック
傭兵 世界最古の男の仕事。舞台は戦場
女優 女はもともと演技上手。その最高峰が……
子どもも働く 厳しい環境を逞しく生き抜く
天使も働く 人間のためではなく神のために働くのは当然
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
86
色々な働く人が描かれていて、そのチョイスも面白いが、時代背景や絵に関連する著者の話が広がりがあって面白い。 例えば、『異端審問官』では『異端審問に直面するガリレオ』の絵で精悍なガリレオと追及する異端審問官の構図だが、当時ガリレオは70歳近く心身ともに疲れていたし、もっと研究を続けたいので地動説を撤回した。絵は「それでも地球は回っている」という強い科学者像だろうと言われる。2026/01/20
陽ちゃん
6
職業を切り口に名画を読み解く本書は目からウロコでした。普段、展覧会へ行っても、先入観を持ってしまうのが嫌でイヤホンガイドは借りないのですが、その分、バックにある歴史を知らないと分からないお約束なんかに気づかずに観ているなぁと痛感しました。2025/09/24
rinakko
5
とても面白かった。“職業”という切り口が効いていてる。ヘンリー八世、『リア王』の道化、ヒュパティア、マリー・アントワネットとローズ・ベルタン、ココ・シャネル、ジャンヌ・ダルクと異端審問、スイス人傭兵…などなど、元々関心のある歴史上の人物や出来事が取り上げられており、ここでこの話を読めるとは…と楽しかった。2026/02/02
しーさん
2
中野さんの本は、世界史の教科書に載っていないような歴史のこぼれ話や、当時の生活の生々しさが伝わって面白い。傭兵の派手な衣装や、スイスが銀行業で発展した理由なんて知らなかった。女性科学者のヒュパティアや、異端審問官など、自分とは違う考えの者を弾圧することは今も昔も変わらない、人間の悍ましさも感じる。そして所々に「詳細は拙著〜」なんて書いてあるから、また中野さんの本を読みたくなる。2026/01/16
mi
2
生きるために働くというのはなんと大変なことなんだと…現代に生まれたことに感謝できる1冊(??)怖い絵などに比べて身近で読みやすい。2025/12/28




