元職員による徹底検証 相模原障害者殺傷事件――裁判の記録・被告との対話・関係者の証言

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元職員による徹底検証 相模原障害者殺傷事件――裁判の記録・被告との対話・関係者の証言

  • 著者名:西角純志【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 明石書店(2025/10発売)
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  • ISBN:9784750352015

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内容説明

元やまゆり園職員の社会思想家が事件を読み解く。

私たちの中にも、「植松」がいる。

2016年7月、相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が犠牲となった事件から間もなく5年。同園の元職員で、社会思想史の研究者である著者が裁判傍聴記録、被告との接見記録、関係者の証言など膨大な資料から事件を検証し、我々自身の内にも常に存在する「根源悪」を直視する渾身の一冊。

目次

序論 人間社会の「根源悪」
1.人間社会の「根源悪」
2.社会科学者としての責任
3.方法としての『掟の門』
4.本書の目的と構成
第1章 事件の〈以前〉と〈以後〉
1.津久井やまゆり園の沿革
2.津久井やまゆり園の光と影
3.ホームの一日の流れ
4.内なる優生思想
5.やまゆり園の建て替えをめぐって
6.やまゆり園利用者支援検証委員会の発足
7.追悼集会
8.犠牲者が障害者であるということ
9.アウシュヴィッツを思考する
第2章 証言するということ
1.証言の不可能性
2.犠牲者19人の「生きた証」
3.負傷した24人の人柄
4.現場に居合わせた職員
第3章 初公判の前に
1.裁判員裁判の前に
2.起訴状の内容
3.「裁く」ということ
4.『訴訟』とは
5.『掟の門』(Vor dem Gesetz)
6.初めての面会
7.『掟の門』を読んで
8.カフカの世界
9.法の逆説性
10.川崎殺傷事件、京アニ放火事件、「れいわ新選組」について
11.LGBT、強制不妊手術、ナチスの優生思想、アイヒマン裁判について
12.正義とは
13.ヨーゼフ・Kとは誰か
第4章 裁判から何が見えるか はなホームの状況
1.匿名裁判
2.報道が司法を動かす
3.植松被告の侵入・逃走経路
4.丙Aさん(当時37歳 はなホーム女性職員)の供述調書 第2回公判
5.被告人質問 第9回公判
6.美帆さん(19歳女性)母の心情意見陳述 第15回公判
7.被告人質問 美帆さん遺族代理人弁護士
8.甲Bさん(40歳女性)母の心情意見陳述 第14回公判
9.甲Cさん(26歳女性)母の心情意見陳述 第14回公判
10.甲Dさん(70歳女性)兄の供述調書 第3回公判
11.甲Eさん(60歳女性)弟の心情意見陳述 第14回公判
12.甲Eさん(60歳女性)弟の被告人質問第10回公判
第5章 裁判から何が見えるか にじホームの状況
1.丙Bさん(当時39歳 にじホーム女性職員)意見陳述 第14回公判
2.丙Bさん(当時39歳 にじホーム女性職員)の供述調書
3.被告人質問 第9回公判
4.被告人質問 第11回公判
5.甲Fさん(65歳女性)遺族調書 妹としての処罰感情 第3回公判
6.甲Gさん(46歳女性)母の遺族調書 第3回公判
7.甲Hさん(65歳女性)母の処罰感情 第3回公判
8.甲Iさん(35歳女性)父の処罰感情 第3回公判
9.甲Jさん(55歳女性)弟の処罰感情 第3回公判
第6章 裁判から何が見えるか つばさホームとみのりホームの状況
1.丙Cさん(当時23歳 つばさホーム男性職員)の供述調書 第2回公判
2.公舎から駆けつけた「つばさホーム」の男性職員 第3回公判
3.丙Dさん(当時54歳 みのりホーム男性職員)の供述調書 第2回公判
4.「つばさホーム」における被害者と植松との接点
5.甲Lさん(43歳男性)母の供述調書 第3回公判
6.甲Kさん(41歳男性)遺族の手記 全文
第7章 裁判から何が見えるか いぶきホームの状況
1.忘年会でホーム長とけんか
2.丙Eさん(当時35歳 いぶきホーム男性職員) 第2回公判
3.「いぶきホーム」職員の供述調書から見えてくること
4.甲Oさん(55歳男性)妹の心情意見陳述 第14回公判
5.甲Mさん(66歳男性)兄としての処罰感情 第4回公判
6.甲Nさん(66歳男性)姉としての処罰感情 第4回公判
7.甲Pさん(65歳男性)兄としての処罰感情 第4回公判
第8章 裁判から何が見えるか すばるホームの状況
1.「すばるホーム」男性職員の供述調書 第2回公判
2.甲Qさん(49歳男性)母の遺族調書 第4回公判
3.甲Rさん(67歳男性)兄としての処罰感情 第4回公判
4.遺族訪問記
5.甲Sさん(43歳男性)母の意見陳述(代理人弁護士) 第14回公判
6.甲Sさん(43歳男性)姉の意見陳述書(代理人弁護士) 第14回公判
7.植松は現役職員時代に何を経験したのか
第9章 友人たちの証言
1.犯行当時の被告の足取り
2.男性友人の供述調書
3.被告の障害者施設での体験
4.精神鑑定から浮かび上がった人物像
5.イルミナティカードの暗示
第10章 交際女性たちの証言
1.交際女性Aの供述証書
2.交際女性Bの証言
3.元交際女性Cの証人尋問
4.DVD『テッド2』に着想があった
5.自己演出の劇場型裁判
第11章 判決
1.判決当日
2.判決文の考察
3.相模原市障害者施設殺傷事件の判決を受けて
4.公判を振り返って
第12章 安楽死・尊厳死を考える
1.NHKスペシャル「彼女は安楽死を選んだ」
2.番組への批判と抗議声明
3.ALS嘱託殺人
4.「安楽死」と「尊厳死」
5.日本安楽死協会の設立の「前史」
6.「青い芝の会」の安楽死反対運動
7.日本安楽死協会の設立に向けて
8.「安楽死法制化を阻止する会」と松田道雄
9.松田道雄と太田典礼の交錯
10.松田道雄が安楽死法制化に反対した理由
第13章 根源悪と人間の尊厳について
1.アイヒマン裁判
2.アイヒマン裁判とアーレント――「根源悪」と「悪の陳腐さ」
3.『獄中手記』からみる植松被告の「根源悪」
4.ニーチェの思考と植松被告の類似性――安楽死・力への意志・美意識・超人
5.死の前で
あとがき
主要文献目録
関連年表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

南北

43
遺族や職員の調書や意見陳述、被告人質問などを通して、事件の真相に迫ろうとしている。被告人質問は遺族とのやりとりが噛み合わないことが多く、真相は見えてこなかったが、注目すべき点がいくつかあると思った。1つ目は県直営から社会福祉法人に民営化され、園と地域との関係が希薄になっていたこと、2つ目は植松聖が小学校2年生の時に「障碍者は不幸をつくる」という内容の作文を書き、先生に叱られて書き直しになったこと、3つ目はALS患者で参議院議員の舩後靖彦氏が障碍者療護施設で職員から虐待を受けた経験を述べていることだ。2021/08/20

にしの

7
この事件にはすでに多くのルポや考察があるが、獄中の犯人にカフカ『掟の門』の感想を求めた筆者は哲学的に事件と向き合う。筆者は被害者を記号に、犯人をモンスターにする風潮に対して抗している。それは犯人が自らの尺度で被害者を人間の外側に排除した「強者の理論」と同じロジックに陥っているからだ。犯人は人間の心の黒い点を深く見つめることなく、浅はかで短絡的にそれを増大させていった。そして、その黒い点はわれわれ自身と社会にも内在している。本著は心の黒い点を増大させないための自己、社会の有り様を考えるきっかけになる。2021/11/07

くらーく

3
裁判関係の情報は興味深い。事件の経緯や被害者、遺族、友人等の発言も多々あって、いろいろと考えさせられる。 本書で特に興味を引いたのは、被告の小学校時代の作文の事(273-274ページ)で、著者も残念でならない、とかいてあるが、その通りだと思う。物心つくまでに、何かしら障碍者に対する排除意識のようなものが植え付けられていたのでは無いのかねえ。言葉なのか行動なのかは分からないけど。子供のころの意識づけ?って重要だと思うけどなあ。 言葉が発せない重度障碍者でも、気持ちが伝わるような時代が早く来て欲しいねえ。2021/08/07

Akio Kudo

2
★★★★ 難しい本だが、読むべき。2023/12/16

030314

2
裁判での証言の内容や、植松本人へのインタビューは興味深い内容だった。遺族の言葉は皆、一様で、「被害者は自分の生きがいであり、かわいい。被告へは極刑を望む」というものだ。一方、施設の職員側からは、植松が「障害者は価値がない」などと考えるのも仕方ないと思わせるような言葉もある。自分自身の命題である、生きる価値について考える、良い題材となった。著者の分析や哲学書からの引用が多くされているが、ほとんど意味不明で理解できなかった。人が生きるのは、むずかしく考える必要なんてない、単純なことだと思うけど!2021/09/01

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