- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
日本では1990年代にいったん注目を集めた男性学が、近年再び盛り上がりを見せている。家父長制による男性優位の社会構造を明らかにするフェミニズムに対し、その理解が進む一方で、アンチフェミニズム的な声も目立つ。また一枚岩的に男性を「強者」として把握できない実像もある。構造の理解と実存の不安、加害と疎外のねじれの中で、男たちはどう生きていけばいいのか。本書は、批評家、研究者、実践者など4人が集まり、それぞれの視点から男性学の「名著」を持ち寄り内容を紹介・解説した後、存分に語り合う。多様で魅力的な男性学の世界にようこそ。
目次
まえがき
序章 男性学とは何か――西井開
第一部 名著で読み解く男性学
第1章 ギーザ『ボーイズ』[発表・天野 諭]
第2章 セジウィック『男同士の絆』[発表・西井 開]
第3章 彦坂 諦『男性神話』[発表・杉田俊介]
第4章 コンネル『マスキュリニティーズ』[発表・川口 遼]
第二部 対話編 今、男性について何を語るべきか
あとがきに代えて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
20
ギーザ、彦坂、セジウィック、コンネルといった、男性のジェンダーに言及した名著を読み解く第一部と、最新の研究動向を踏まえつつ、男らしさについて語った第二部からなる。コンネルとセジウィック、ギーザまでは分かるが、彦坂の選書理由がいまいちピンとこなかった。なお、日本社会を読み解く鍵は雇用にあるとして、男性の雇用を優先的に守ろうとする社会の問題を考えれば、男性育休の動きは意義があるはずだという川口さんの見解がごもっとも。西井さんの話も面白い。ただ、観念を弄りまわすような話については、やや瑣末であると感じた。2025/12/01
かんがく
12
まだまだ男性が特権をもつ社会において、差別的・復古的にならずに男性の連帯やケアを行うにはどうするべきかという話。『イン・ザ・メガ・チャーチ』で読んだ、「男はお茶をしない」という話にも繋がるかもなと思った。ジェンダー問題などに理解のある意識の高い男性というポジションに甘んじているようでは駄目だ。2026/02/23
昼香
7
男性の生きづらさを、名著をヒントに多面的に見つめた対話形式の本。男性社会の中での序列に関する圧力、男性は雑に扱われがち(身体接触が暗に認められているなど)、加害に対して感情鈍麻している、男性独自の感情や文化を語る場の必要性など。ただし、男性と一括りにしても経済格差や人種などで立場に差が生じている。そもそも、女性が生きづらいよねという文脈でのフェミニズムだと思うが、男性も生きづらいと言い出したら、誰が生きやすい社会なのだろうか。男性学については共感できない部分が多いし、無知なのでもっと勉強しないと。2026/09/23
ひつまぶし
7
本の紹介にとどまらず盛りだくさんな本だった。ギーザ『ボーイズ』の紹介に端を発して、問題提起はあれど望ましい男性性が示されない疑問も扱われていた。セジウィック『男同士の絆』のホモフォビアとホモソーシャルの相剋の話、加害者であり被害者である中でどう語るかを深める彦坂諦『男性神話』、コンネル『マスキュリニティーズ』はそんなに深い本だとは知らなかった。排除に関するセンスを鍛えるのに良さそうだと思って手に取った一冊だったが、個別にネタとして面白さがあるだけでなく、全体の見取り図を描く際の手掛かりにもなると思った。2026/01/27
めぐこ
6
社会の中で男性は下駄を履かせられていると思われていることもあるが当の男性側としては下駄を履かせられてるとはあまり認識できておらず、また、しばしば雑に扱われることもあるので社会的にまたは家庭的に大切にされている実感を伴わない人が多いのかもしれないと思いました。そのことがどこが歪みみたいな部分に現れて、モラハラDVなどの形で出現したりするのかな〜と個人的には思いました。興味深い内容。2026/08/16




