岩波科学ライブラリー<br> 幻のネズミ、消えたY - 性の進化の謎を追う

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岩波科学ライブラリー
幻のネズミ、消えたY - 性の進化の謎を追う

  • 著者名:黒岩麻里【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 岩波書店(2025/10発売)
  • 【24時間限定!】昭和の日!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍(4/29)
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  • ISBN:9784000297370

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内容説明

哺乳類のY染色体は退化する一方だ.そのうち,男はいなくなる!?南の島のトゲネズミに,そのヒントがあるかもしれない.そのネズミたちは,Yがないのにオスがいる.Yがないなら,雌雄のDNAの差はどこに?あの方法もこの遺伝子も,ハズレ,ハズレ,またハズレ……!立ちはだかる数々の壁を乗り越え,「Yなき性」の謎にせまる.

目次

プロローグ 常識はずれの哺乳類
1 よみがえるトゲネズミ
謎の哺乳類と出会う
Yのないネズミ──1977年の報告
古すぎる細胞でスタート
運命の出会い
絶滅危惧種と天然記念物
立ちはだかる壁
心落ち着かないクリスマス
野外調査に参加……したけれど
オキナワトゲネズミはどこに
たった3体の剥製標本
捕獲調査がはじまる
幻の哺乳類,再発見
Yはあった,でも,普通じゃなかった
2 Y染色体を失うということ
「性が決まる」とはどういうことか
染色体は運命を「決定」しない
哺乳類のY染色体──オスをオスたらしめる
大野博士の仮説
誰が先に見つけるか──性決定遺伝子発見競争
そしてSRYが見つかる
SRY遺伝子の正体
実は弱くて刹那的
2つあったエクソン
カモノハシの性の謎
SRYいつ登場したか
YがYになったとき
Yが退化していく理由
Yが消える!?
Y染色体の沼にハマる
3 消失と巨大化──ネズミ,真逆の道をゆく
緊張の初代培養
アマミトゲネズミ──少なくて長い染色体
1本だけ残る不思議
染色体を染めてみる
なかなか見つからない性差
やはり性差は見つからない
「ない」証明の難しさ
オキナワトゲネズミ──大量にあるSry
Sryは性を決定しているのか?
消失と巨大化──真逆の進化の不思議
コラム◎思わぬ発見──移動するセントロメア
4 消えたYの謎を追う
遺伝子重複に目をつける
シャルトルの仮説
重要なものほどコロコロ代わる
メダカの性決定遺伝子も「遺伝子重複」
まずは10の遺伝子を探す
それらしき重複遺伝子,しかし……
個体数の少なさゆえに
コラム◎マングースの研究では
やはりゲノムを読むべきか
ゲノム解読への道①──まず読んではみるものの,途方に暮れる
ゲノム解読への道②──予算獲得
コラム◎忘れられない大きな失敗
ゲノム解読への道③──「支援課題」になる
一塩基多型を探せ
最後に残った二つの候補
SOX9遺伝子とは
「砂漠」でターゲットを探す
やっぱりSOX9上流が重要?
マウスのエンハンサーが,トゲネズミにも
エンハンサーが性決定!?
「重複」をマウスにノックイン
青く染まった生殖腺
教授,PCRマシーンと化す
起こらなかった性転換
性転換の「萌芽」はあった
5 世界に羽ばたくトゲネズミ
アクセプトまでのさらなる道のり
「強さ」ではなく「スキル」
レジェンドからの助言
アクセプトされるや一転……
報道解禁,そして
「あなたの研究を知っていますよ」
トゲネズミがつないだ世界
エピローグ トゲネズミのいま

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

道楽モン

53
人類も何百年後にはオスが絶滅するかもしれないという噂が頭の隅に引っかかっていましたが、本書を読んで納得。そういうことだったのね。性差を決定するX・Yの染色体の組み合わせで、xy染色体ではないのにオスとして存在している奄美大島のネズミに出会い、性決定遺伝子は何なのかという謎に取り組んでいる北海道大学の研究者の著作。とんでもなく面白いです。研究自体も興味深いですが、研究の過程で様々な困難や障害を、知恵と人脈と執念で乗り越える研究者としての姿勢が素晴らしい。岩波科学ライブラリーの数々の名著の魅力はここです。2025/12/15

テイネハイランド

29
図書館本。哺乳類では常染色体以外に性染色体があり、XXならメス、XYならオスというのが一般的です。ところが奄美大島に生息する天然記念物アマミトゲネズミの場合、Y染色体が存在せず、どうやってオスが生まれてくるのかそのメカニズムが今までよくわかっていませんでした。その謎に挑んだ研究過程について書いたのが本書です。内容はとても興味深いものではあり一読に値する本だとは思います。ただし、専門的な内容について掘り下げて記述されている割に、説明がそれほどわかりやすいとはいえないという欠点は否めないように思います。2026/02/22

tom

17
「Y染色体をもたない哺乳類がいるんだよ」という言葉から始まる本書、さらには「Y染色体の退化は現在も進行中。Y染色体は、遅くとも数百万年後には消えてしまう」と書いてある。おおすごい、オスはいずれ消えるのか。そうなれば、しょうもない戦争がなくなるかもなどと思いながら読み始める。面倒過ぎて、ほとんど頭に入らない。でも、DNA研究者の仕事の実際が、何年も続く地道な力仕事だということがよく分かる。よほどの粘着の人じゃないとできないこと。成功した暁の報酬は大きいだろうけど、残念な人たちも死屍累々なんだろう。2026/04/13

モモサワ キヨコ

4
時々読みたくなる理系本。生物をとっていた高校生の頃、生物の先生が将来的にオスがいなくなる可能性について話していたことがあるような気がする(授業とは関係ない…)。やや専門的な部分があるものの、読みやすい。研究続けることの難しさも垣間見える。2026/03/07

やご

3
哺乳類がオスになるかメスになるかは性染色体のXとYの組み合わせで決まる、ということはよく知られています。しかし、実は哺乳類の中にはYの染色体を持たないもの(2種のトゲネズミ)がいます。にもかかわらず、それらもちゃんとオスとメスがいます。どうしてそんなことが可能なのか? その謎を追った研究者自身が書いたものです。文章は柔らかな語り口調なんですが、その研究の説明については聞き慣れない専門用語が多くてちゃんとわかったかは自信がない(続く)👉 https://gok.0j0.jp/nissi/1758.htm2026/04/09

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