内容説明
「警察でも探偵でもない。検事だからこそ掴める真実を、私が暴いてみせる」
宗教団体〈サンクチュアリ〉の周囲で続く不可解な死。
事件の裏に隠された「もう一つの真相」を暴くため、若手検事の瑞穂は現場に向かう!
★★★★★
連続殺人の生き残り、遺体を盗まれたアイドル、DV夫の妻子殺しーー。
犯人は確保した、はずだった。
地方研修を終えたばかりの検事・一色瑞穂は、東京地検で事件捜査に携わる刑事部本部係に着任する。司法修習生時代の教官で憧れの上司・高宮誠一郎の勅命で「複数の若い女性を殺害し、公判直前に証言を翻した」という被疑者を任される。唯一生き残った女性の聴取で目にしたのは新興宗教〈サンクチュアリ〉のシンボル・五芒星の跡。そして次々起こる殺人事件。危険を顧みず現場の最前線へ立ち向かう瑞穂は、やがて全国民を巻き込む「黒い計画」にたどり着く。
『人間狩り』でネット私刑を、『眠りの神』で安楽死を描いた社会派ミステリの実力派。
今度のテーマは「教義VS正義」!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
59
正義感溢れる若手女性検事・一色瑞穂。彼女が手掛ける事件の裏側に見え隠れする不穏な宗教団体「サンクチュアリ」謎の実体や宗教二世たちの苦しみも描く社会派ミステリ。SNSで志願者を募り自殺幇助の名目で殺人を行っていた男性。しかし一人だけ助かった女性はなぜ生き残ったのか?人気アイドルが亡くなり霊柩車ごと遺体が盗まれる。なぜ遺体は盗まれたのか?DV夫から隠れていた母子が夫に見つかり惨殺される。犯人は本当に夫なのか?この別々の事件がひとつの大きな陰謀へと収束していく様がとても巧妙で面白い。リーダビリティの高さも抜群。2025/12/26
ごみごみ
59
宗教2世問題。外の世界では生きていけない、とまで言わしめるほどの特殊な環境、いわゆるカルト教団の恐ろしさが描かれている。1〜3話までは独立した事件と思わせておいて、4話で次々と繋がっていく様に鳥肌。現実離れし過ぎていてさすがにここまで・・と思いつつ、オウム真理教による一連の事件が起きた時にも、まさかそんなことが現実世界であり得るの!?と驚いたので、空事象ではないのかも。瑞穂の冴えた勘と危険を顧みない行動力が凄すぎ!運が強いってこういう人のことを言うんだろうな。2025/11/07
オーウェン
54
新人の検事瑞穂は上司に頼み込み、重大事件を担当していくことに。 その事件に関わったのは元彼であり、宗教団体のサンクチュアリに所属していた。 連作ではあるが、最初の1~3話は単独であるが、それがラストの話に収束していく。 事件の概要がデカくなりすぎた感はあるが、後味は悪くない。 むしろ瑞穂の出世に隠された秘密に驚く。 このキャラはシリーズ化されそう。2025/12/22
シャコタンブルー
52
第一話「神の領域」殺人事件と新興宗教のマインドコントロールの実態と二転三転しながら犯人が露わになる展開が鮮やかだった。宗教二世たちが親から命じられ暗くて狭いトンネルを歩くが、そこには自由や希望は無く絶望しか見えない。彼等の凄まじい苦悩や葛藤が悲鳴を伴い伝わってきた。検事の瑞穂の正義感と鋭い洞察力には感嘆しかないが、弱点もある生身の人間として描かれている姿に共感した。全く関連の無いと思われた別々の殺人事件だが一本の細い糸で繋がり、暴かれていく過程が秀逸。今年読んだミステリの中でも屈指の面白さだった。2025/11/29
きょん
43
宗教団体サンクチュアリ。宗教2世という言葉が聞かれるようになった昨今では子供達の生活に支障をきたすこともあるというのは周知の事実。話は徐々に広がり意外な展開に。検事の瑞穂の推理は刑事顔負けの鋭さ。何かに頼りたい縋りたいという人の気持ちを悪用するカルトは恐ろしい。2025/12/22
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