新潮文庫<br> お伽草紙(新潮文庫)

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新潮文庫
お伽草紙(新潮文庫)

  • 著者名:太宰治【著】
  • 価格 ¥781(本体¥710)
  • 新潮社(2025/10発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101006079

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内容説明

困難な戦争期にあって、深く芸術世界に沈潜することで時代への抵抗の姿勢を堅持し、日本文学の伝統を支えぬいた太宰中期の作品から、古典や民話に取材したものを収める。“カチカチ山”など誰もが知っている昔話のユーモラスな口調を生かしながら、人間宿命の深淵をかいま見させた「お伽草紙」、西鶴に題材を借り、現世に生きる人間の裸の姿を鋭くとらえた「新釈諸国噺」ほか3編。(解説・奥野健男)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

170
教科書で読んだりしたことを除くと初めましての太宰さん。『人間失格』のタイトルのインパクトが強すぎてなんとなく暗い作風のイメージだったけど、なんともあったかい風刺に満ちた作品たち。 清貧譚とお伽草子のカチカチ山が好き。新訳諸国噺は武士道的考えに感情移入しづらいお話もちらほらあったけど、民俗学的に楽しく読めた。お伽草子はこんな切り口のものとは知らなかったので衝撃!もっと他の作品も読みたい。 幼い頃からカチカチ山の狸が可哀想と思ってたけど、兎と一緒に生理的に受け付けないわーって思っちゃった。女って残酷…。2019/02/09

優希

146
オリジナルではなく、オマージュというのが異色かと思います。西鶴や日本昔話を解剖し、脚色した物語が面白い。明るく小気味良いテンポで読みやすいです。それでいながら卑屈さなどが見え隠れするのは太宰らしいところでした。笑える作品且つブラックな色も見えて楽しい作品でした。2016/02/18

ゴンゾウ@新潮部

138
中国や日本にある古典や民話、はたまた江戸時代の人気作家西鶴を題材に太宰治ならではの解釈で新たに作られた物語の作品集。不自由な戦争下の中でその時代に生きる人間の人生観や芸術観などをユーモラスにかつ皮肉を交えながら表現している。とにかく心理描写が面白い!!つくづく太宰治は天才だったと思ってしまう。個人的には「清貧譚」が好きです。菊づくり(芸術)は誰のためにするのか?生きるために作品を書き続けなければならなかった彼の葛藤がよく表れている。2015/04/30

ペグ

109
太宰治は青空文庫にて「走ラヌ 名馬」を読み衝撃を受け、その後この文庫で短編を読了。そして文春文庫「人間失格」(この中では「人間失格」と「駈込み訴え」が好きでした) そして。この「御伽草子」!なんとも素晴らしい〜まるで水を得た魚のよう。美しく流れるような文章。楽しくて哀しくて楽しそうです。太宰治初心者故、まだまだ彼の魅力に片足を突っ込んだくらいのことかもしれませんが。ちょっと心が沈んだ時にも読みたい。いつもそばに置いておきたい一冊です📖2020/12/18

ネギっ子gen

102
太宰は中期がいい。特に『お伽草子』は傑作。太宰の魅力が満載。「前書き」で、防空壕の中にて5歳の女の子に絵本を読み聞かせた経緯を書く。そして<絵本を読んでやりながらも、その胸中には、またおのずから別個の物語が醞譲せられている>と。まずは「瘤取り」。ラストの<性格の悲喜劇というものです。人間生活の底には、いつも、この問題が流れています>なんて、唸るばかりだ。「カチカチ山」は江戸当時の改変前の話を取り上げ<婆汁なんてのは、ひどい>にしても、兎の仕打ちは執拗すぎる、と。何故か?太宰は、兎を“16歳の処女”と看破。2019/10/11

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