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内容説明
先送りされてきた問題と解決への処方箋
いまも真っ只中の”令和の米騒動”。米価格の値上がりは政府備蓄米の放出、輸入拡大などでいったん沈静化したように見えつつも、市場への米供給が足りていないことが明白になった。温暖化による米の不作もその一因だが、より根深いのは長年にわたって推し進められてきた減反政策、アメリカからの米の輸入圧力を飲み、農家の収入不足、高齢化問題などに積極的な策を講じなかった農政の失敗という構造的な要因だ。
この数年でパンデミックを経て戦争が頻発し、インフレが問題になり、関税交渉の中でコメの輸入措置を飲むことにもなった。恒常化しつつある酷暑で米の不作が大きなリスクとなっている。農政の大きな転換ははかられるのか? 先送りされてきた日本人の主食・米をめぐる問題をどう着地させたらいいのか。
『食の戦争』がベストセラーとなった第一人者の著者による構造分析と緊急提言!
目次
第1章 米がない国、日本 令和の米騒動とは何か
第2章 コメ農家が消える日
第3章 クワトロショックの時代 世界情勢と日本農業の危機
第4章 戦後農政の落とし穴 自給率低下の構造
第5章 再生への道 自立した農と食を取り戻す
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
28
スーパーからコメが消え、過去最高の小売価格を記録した「令和の米騒動」。食料安全保障の第一人者が問題の構造と処方箋を提示する1冊。政府備蓄米の放出、輸入拡大によって事態は一時的に沈静化したものの、市場へのコメ供給が足りない構造的な要因にどう対処していくのか。生産調整政策の限界、低い米価による農家の疲弊、高齢化問題、パンデミックを経て戦争が頻発し、米関税交渉といった対外的な要因も絡んでいて、米欧州の保護政策についての知見や農家への直接支払制度、増産・備蓄やローカル自給圏の推進など様々な提言は参考になりました。2025/11/07
まゆまゆ
13
最近の米価格の高騰は需給が逼迫している、つまり米不足が根本的な原因であって、決して農協や流通の問題ではないことを語る内容。そもそも2020年度から生産量が需要量に足りていなかった。そこに農家の減少と企業による農家からの直接購入が加わり、農協を介して流通する米の量も年々減少している。結局減反政策をはじめとする政策の失敗の影響であり、先を見通した需給政策があらためて求められている。2025/11/25
ろべると
10
本書の大半は食糧安全保障についてである。赤字に苦しむ農家への直接補償により農産物の生産量を増やし、自給率を上げないと日本の将来はないと主張する。米価は決して高くないとするのは完全に生産者寄りで、消費者の利益とは相反するわけだが、理解できなくもない。但し両者の相互理解が不可欠であり、政治家や農水省が裏で画策しているようでは先は覚束ない。最終章の、生産者と消費者を直接つなげて一体化させる運動は非常に良いと思う。地産地消や、都会の家庭と農家の共同体構築の推進によって、様々な問題の解決に希望が持てるのではないか。2025/12/13
倉屋敷??
4
最近の世界情勢もそうだが日本は食の大部分を輸入に頼っているのでシーレーンを封鎖されるとあっという間に飢餓に陥る。 特に中国の動向が気がかりです。 なので食の安全保障は喫緊の課題でしょう。 生産調整をしている場合じゃない。2025/12/14
お抹茶
3
農政が米農家の現実から乖離していると批判。生産をぎりぎりまで調整する減反政策で米価下落を止められず米農家を困窮に追い込んだことが米不足の原因。流通や農協が意図的に米を隠しているという農水省の見立ては誤っていた。米不足なのに輸出を拡大して輸入米を増やそうとする。食料供給困難自体対策法は,平時は輸入に頼り,有事には強制的に増産させ違反者には罰金を科す悪法と批判。食料自給率向上は非効率だから予算を減らし,輸入すればよいというのが政府の考え。最低限の需給調整を政府が負担して自給率向上を実現することが必要と主張。2025/12/29
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