経験する機械 ――心はいかにして現実を予測し構成するか

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経験する機械 ――心はいかにして現実を予測し構成するか

  • ISBN:9784480847546

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内容説明

現実はわたしたちの外側にただ在るのではない。心は外界を受け取るだけの装置ではない。人間の能動的な予測によって、世界は絶えず構成されている――。心と身体、世界はどうつながっているのか。意識をめぐる最大の謎が、ここに解明される! 「拡張された心」理論によって認知科学・心の哲学をアップデートしつづけてきた世界的第一人者による理論的集大成。

目次

はじめに──経験を形作る/第1章 予測する機械を解剖する/視覚の高性能カメラモデル/流れを逆転させる/ポンコツラジオとコントロールされた幻覚/質素な脳/予測の力/正弦波音声と「グリーンニードル」効果/ホワイトクリスマスの幻聴/ドレスをめぐる錯覚など/予測の学習/予測としての知覚/第2章 精神医学と神経学をつなぐ/組織の損傷を超えて/プラシーボ効果とノセボ効果/痛みの自己確証の悪循環/機能性障害/注意の障害/フーバー徴候/慢性疼痛における予想の役割/自閉スペクトラム症におけるバランスの変化/強化された感覚世界/マガーク効果/統合失調症におけるバランスの変化/心的外傷後ストレス障害/では、何が最善のバランスなのか?/第3章 自己充足的予測としての行動/観念運動理論/カモメを見る/すべてを支配するただ一つの配線様式/くすぐりが教えてくれること/外野手から学ぶ/身体化された専門スキル/長期的なゲーム(と楽観的な予測の役割)/第4章 身体を予測する/暗室からの脱出/好奇心と予測エラー/身体予算の予測/情動の身体化/緊密に協調し合う神経回路/心で見る/うつ、不安と身体の予測/ポジティブな情報に対する免疫を作る/増殖する審美的な悪寒/間奏 ハードプロブレム──予測者を予測する?/単純な有感性/私たち自身を予想する/単純な自己モデル/哲学的ゾンビを尋問する/第5章 よりよい予想/自分が感じているものを知覚する/予測バイアスに対処する/有用なフィクション/内受容感覚を改善する/真実に近い?/動くキーボード/リアルさを保つ/第6章 生身の脳を超えて/世界への依存/ひとり暮らし/情報取得のための行動/認識的行動と実践的行動の統合/循環するプロセス/脳を徐々にアウトソーシングする/腸で考える/拡張された感覚/拡張された心/オットーは美術館に行く/ここまでの議論を要約する/資源調達をめぐる謎を解く/脳としての心/第7章 予測する機械をハッキングする/苦痛の軽減の予想/「正直な」プラシーボ効果の不思議/プラシーボ反応を教え込む/バーチャル・リアリティを用いて痛みを緩和する/留意事項/自己肯定の力/経験をフレーミングする/疼痛再処理療法/自分自身の予想を免れる/幻覚剤と自己──化学的なロマンス/呪縛を緩める/瞑想と注意のコントロール/結論 世界に開かれた予測の生態系/補遺/要素1──生成モデル/要素2、3──予測と予測エラー/要素4──適合率/謝辞/註/訳者あとがき/索引

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