ソーシャルワークの方法論的可能性――「実践の科学化」の確立を目指して

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ソーシャルワークの方法論的可能性――「実践の科学化」の確立を目指して

  • 著者名:衣笠一茂【著】
  • 価格 ¥3,168(本体¥2,880)
  • 明石書店(2025/10発売)
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  • ISBN:9784750352336

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内容説明

近代への無批判な固着に終始していた既存のソーシャルワークの限界を指摘しつつ、「実践の科学化」によってそれを批判的に乗り越えることにより、「すべての人々の存在を肯定する理論と実践」としてソーシャルワークの「目的と意味」を捉え直す画期的な一冊。

目次

はしがき
序章 ソーシャルワークの新しい可能性
はじめに
1 本書の執筆に至る経緯
2 批判はどこまで到達しているのか
3 本書が明らかにしたいことと,そのための具体的構成
第1章 批判はどこまで到達しているのか――本書において明らかにしたいこと
はじめに
1 従来の議論から提出できたこと
(1)「近代の産物」としてのソーシャルワーク論の限界
(2)「実践の科学化」の必要性
(3)「共同性の価値」論
2 本書の課題と問題意識
(1)従来の議論のまとめ
(2)研究課題の設定
第2章 「実践の科学化」の方法論――「当事者」として何を引き受けることができるのかという問いを中心に
はじめに
1 「質的研究」への関心
(1)「演繹」か「帰納」か?
(2)質的研究の有効性
2 「参加型アクション・リサーチ」という方法の採用について
3 いかなる事象に対して,どのようにアプローチするか
(1)「事例=エスノグラフィー」という方法
(2)サンプリングの戦略
(3)倫理的配慮
第3章 「間柄的関係」の実践――「地域包括支援センター」の実践を例に
はじめに
1 「地域包括ケアシステム」を構成するサブシステムについて
(1)「地域包括ケアシステム」の概略
(2)「地域包括ケアシステム」を構成するそれぞれのシステムの操作上の概念定義
2 事例=エスノグラフィーの実際
(1)事例の選択と倫理的配慮について
(2)分析対象事例の概要
3 「バイオ・サイコ・ソーシャルモデル」に依拠した生活の包括的支援についての理解
(1)「バイオ・サイコ・ソーシャルモデル」とは
(2)「自助・互助・共助・公助」それぞれの生活支援システムの役割・機能
4 「互助・共助の社会関係」が意味するもの
(1)間主観性に基づいた「共生の論理」の構造
(2)「存在を承認する関係性」としての「互助・共助」のあり方
(3)「わたし」はなぜそこにいる「あなた」を認めようとするのか
第4章 「共感」から生まれる関係性のあり方――「あおやま広場」のコミュニティ・エンパワメント・スキームを例に
はじめに
1 「地域共生社会」構築の技法への関心
(1)「コミュニティ・エンパワメント・スキーム」実験開始の経緯
(2)実験プロジェクトの概要
(3)フィールドサイトの概要とサイトへのアプローチ
2 地域ニーズのアセスメント――「生活課題実態調査」の実施
(1)「生活課題実態調査」の概要
(2)「生活課題実態調査」の結果(概略)
3 介入計画の立案(プランニング)
(1)プランニングに向けたブレーン・ストーミングの実施
(2)「アクションプラン」の策定~プランニング過程
4 計画の実施(アクション)のプロセス
5 「アクション」の評価(エヴァリュエーション)のプロセス
6 考察
(1)「コミュニティ・エンパワメント・スキーム」とはどのようなソーシャルワーク実践なのか
(2)「関係性」への関心と視点
(3)「共感と共有」の視点
第5章 「対話」による公共空間の構築――中津市地域福祉計画・地域福祉活動計画の策定プロセスを例に
はじめに
1 中津市の概要
2 「地域福祉計画」と「地域福祉活動計画」の一体的策定
3 計画策定に向けた「作業部会」の活動プロセス
4 「作業部会」の具体的な検討内容
(1)一例としての沖代地区の取り組み
(2)「作業部会」の活動内容
5 策定された「第3次中津市地域福祉計画・地域福祉活動計画」の内容
6 考察――中津市の取り組みから考えるべきこと
(1)住民相互の「関係性」のあり方
(2)「対話の実践」としてのソーシャルワークの意味
第6章 見出された「意味」の構造とは――「間柄的関係,共感,対話」という3つのキーワードから同定されるもの
はじめに
1 「間柄」として存在を見る視点の「意味」について
(1)岡村重夫による和辻倫理学の受容
(2)和辻弁証法の展開
(3)岡村理論の限界
2 「共感」の意味するところ
(1)「共感」の構造
(2)「人格」の構造
3 「対話」の意味するところ
(1)「対話」の歴史的発展
(2)「対話」の新たな戦略
(3)「対話的理性」の位置づけ
終章 ソーシャルワークが目指す社会のあり方とは
1 ここまでの論究の振り返り
2 「価値」と「原理」との関係
3 今後の課題
(1)理論的洗練の必要性
(2)理論と実践の往還(=「実践の科学化」)の確立に向けて
用語解説一覧
参考・引用文献
あとがき
索引

感想・レビュー

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ソーシャルワークの新しい可能性 批判はどこまで到達しているのか 「実践の科学化」の方法論 「間柄的関係」の実践―「地域包括支援センター」の実践を例に 「共感」から生まれる関係性のあり方―「あおやま広場」のコミュニティ・エンパワメント・スキームを例に 「対話」による公共空間の構築―中津市地域福祉計画・地域福祉活動計画の策定プロセスを例に 見出された「意味」の構造とは―「間柄的関係,共感,対話」という3つのキーワードから同定されるもの ソーシャルワークが目指す社会のあり方とは2021/09/06

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