内容説明
千葉県警の高頭冴子は、留学生の失踪が相次いでいるという噂を耳にする。その数日後、新疆ウイグル自治区出身の留学生カーリの死体が発見された。捜査に乗り出した冴子は、事件に中国公安部が絡んでいることを掴むも、カーリのバイト先の雇い主・カーディルも殺害され、冴子に保護を求めたカーリの同僚・レイハンも容疑者に連れ去られてしまう。レイハンを救い、事件の真相を暴くため、冴子と部下の郡山は中国での捜査を強行するが――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kazuko Ohta
33
内藤了と中山七里だけはどんだけのスピードで書いてるねんといつも思う。いくつものシリーズを同時進行して、好きなシリーズの新刊がなかなか出ない間も何かしら読むものが用意されていますよねぇ。このシリーズもそうだけど、アマゾネス高頭はそこらじゅうで見かけるから久しぶりな気がしない。巷で話題になっている事件を取り込むのが上手い七里センセ。今回はウイグル族弾圧をテーマにするなんて、あなたこそが公安に目をつけられそうです。拷問のシーンは特に女性は目を伏せたくなる描写。部下の郡山の信頼度がダダ上がり。これからも死ぬなよ。2025/12/30
NAOAMI
18
千葉県警の高頭冴子が中国公安部を敵に回し、さらには中国本土に乗り込み人質解放を目指す荒唐無稽。地方公務員が「国」相手にケンカを仕掛ける無謀。ウイグル自治区出身者が殺される事件を発端に、中国の異民族支配、差別・虐待、文化を根こそぎ奪っての民族同一化を図るという恐ろしい政策が明らかに。えっ?コレどこまで本当なん?ウイグル純血の子を増やさせない、男を軒並み逮捕して漢民族を送り込んでの強姦婚姻。そして読むに堪えない冴子への拷問。絶体絶命!と思いきや残り少ない頁数で大逆転を仕込む流石よ。この真実を放置してえぇのか?2025/10/31
ぴ〜る
18
こんな屈辱と憎悪の連鎖はいらない…。こんな虐殺の輪はいらない…。恐ろし過ぎて苦しく泣けてしまった。この小説の中の話だけであって欲しいと願わずにはいられないけれど解説を読んでまた苦しくなった。そして今日本も改めてもっと危機感を持たないといけないと中山七里さんが問いかけてくれているのではないかと思う。色んな意味で凄い小説を中山七里さんは書いたと思う。2025/10/29
九曜紋
11
これは非常に危険な作品だ。もちろん私達読者にとってではなく、著者である中山七里にとって。単なる作家生命の危険ではなく、文字通りの生命の危険。あの独裁国家の実情を指導者の実名込みで告発しているのだから。最近、とみに社会派作家としての色彩を濃くしている中山七里だが、作風が似ることもある柚月裕子なら架空の名前にしただろう。これは作者の怒り、危機感の大きさの表れとみるべき。すなわち与野党を問わず左派の政治家達、左傾化が著しいマスコミ等に対する警告であり、著者・中山七里から日本国民への心の底からの注意喚起でもある。2025/10/11
ohion
10
とにかく驚いた。ここまで凄惨に描くとは。越境なんて生やさしいものではなく、他国に乗り込み、彼の国の怖さを示す。きっと日本にもたくさん監視メンバーがいるであろう中、このような本編を書き、出版したこと、巻末の解説含め敬意を表します。2025/11/12




