ちくま新書<br> ニッポンの移民 ――増え続ける外国人とどう向き合うか

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ちくま新書
ニッポンの移民 ――増え続ける外国人とどう向き合うか

  • 著者名:是川夕【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2025/10発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480077103

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内容説明

少子高齢化による労働力不足や、流動的な世界情勢を受け、近年日本に多くの外国人がやってくるようになった。2070年には、人口の約10%に達するとも言われる。それに対し、治安や社会保障に関する不安の声は多く、排外主義も台頭している。移民は日本にとって救世主なのかリスクなのか? 日本は欧米のように分断されるのか? 移民なしではこの国はもたないのか? 第一人者が、エビデンスを基に、移民政策の歴史と未来について考察。移民をめぐる議論に一石を投じる。

目次

はじめに/序章 増え続ける外国人/1 増え続ける外国人/2070年には10人に1人が外国人に/日本はまだ移民を受け入れられるのか?/隠された「人口ボーナス」としての外国人/2 日本における「移民政策の不在」/根強い「移民政策の不在」論/「日本に移民政策はない」は本当か?/グローバルな視野が欠けた移民政策論/本書の構成/想定される読者/第1章 「日本に移民政策はない」は本当か?──現代日本の移民政策/1 「日本に移民政策はない」と言われるのはなぜなのか?/2つのアプローチ/移民政策不在論のパラドクス/2 移民政策が抱えるジレンマ/「移民」とは誰か?/移民政策の基本構造/国際的なガバナンス体制の欠如/持続可能な開発目標/安全で秩序ある正規の移住のために/国家が抱えるジレンマ/3 世界の移民政策/中心的な地位を占める「永住型移民」/増えつつある「一時滞在型移民」/4 現代日本の移民政策/実は多くを占める永住型移民/日本は一時滞在型移民受け入れ世界第6位/リベラルで開放的な移民政策を取る日本/日本のアドバンテージ/国際的な枠組みにおける評価/日本は「移民国家」である/さらなるリベラル化の可能性/移民政策の謎を解くため、歴史の深層へ/第2章 少子高齢化と移民を考えるために──移民政策の歴史/1 グローバルな移民政策の動向/現代国際移住システム前史/戦後に増加した旧植民地からの移民/グローバル化した冷戦後の移民/戦後アジアの移住システム/グローバル化と「移民の女性化」/国際移住のさらなる拡大/「リベラル・モデル」から「マーケット・モデル」へ/日本の移民政策は閉鎖的なのか?/2 移民送り出し国としての戦前日本/移民送り出しの3つの潮流/ハワイ、アメリカ移住と受け入れの停止/ブラジルや旧植民地への移住/3 入管行政はなぜブラックボックス化したのか?/4つの時期区分とそれぞれの特徴/「管理と排除」の時代/入管行政ブラックボックス化の原因/4 戦後日本移民政策の展開/難民条約をきっかけに人権が拡充された/在日コリアンの定住化と権利獲得/「埋め込まれたリベラリズム」の成立/アジアの国際労働市場の勃興/ハイスキル人材の受け入れ/「技能実習制度」の創設/「技術実習制度」の沿革/「サイドドア」としての技能実習制度/帰還する日系人の受け入れ/意図せざる「サイドドア」/5 少子高齢化と移民政策/ハイスキル人材受け入れの国策化/中間的職種の「発見」/介護分野での移民受け入れ/特区制度とオリンピック対応/下からの拡大/「ダムの決壊」としての特定技能制度/永住資格へとつながる技能実習制度/「育成就労制度」の創設/入管行政の政策化/外国人人口増加の内実/人口減少と移民受け入れ意識の向上/日本の移民政策の歴史的起源/第3章 人はなぜ国境を越えて移動するのか?──移民理論の現在地/1 移民の原因は経済格差なのか?/経済格差で人は移動する──機能主義的理論/資本主義が人の移動を決める──歴史構造的理論/移民は底辺層になる──二重労働市場理論/家計が人の移動を決める──新家計経済学アプローチ/経済発展が人の移動を決める──移動転換理論/人は「よく生きる」ために移動する──意欲‐潜在能力モデル/2 人は世界をどのように移動しているのか?/グローバルな国際移住/アジアから産油国と日本に向かう/3 移民はなぜ日本を目指すのか?/移住意欲から見た日本/日本はもう「選ばれない国」なのか?/日本への移民は今後ますます増加する/日本経済が衰退しても移民は増える/第4章 技能実習制度は「現代の奴隷制度」なのか?──成長するアジアと日本/1 移民はどうやって日本に来るのか?/国際労働市場とは何か?/国際移住の3つのステップ/投資プロジェクトとしての移住/「中国移民の日本侵略」?/2 安全で公正な国際移住とは?/移住仲介機能とはそもそも何なのか?/移住に必要なスキルをめぐる難題/現実的でない「政府対政府」の移住ルート/移住仲介者を排除することは可能か?/安全で公正な「国際労働移住コリドー」の形成/どうしたら移民は増えるのか?/アジアの国際労働市場と日本/終章 吹き荒れる排外主義の中で──移民政策の未来/1 高くなる地域間の壁と拡大する域内移動/高まる欧米の排外主義/空前のペースで増加する国際移住/排外主義が民主主義を破壊する/日本が進むべき道/2 移民政策を展開する/アジアの成長をどう受け止めるか/マクロ経済の視点/年金制度の持続可能性/健康保険「タダ乗り」の懸念は間違い/移民の実態を明らかにすることが必要/3 地域、企業単位で見た移民政策の可能性/受け入れの現場は職場や地域/地方圏で高まる外国人受け入れへの意欲/アジアの自由移動圏構想/4 移民政策の未来/欧米の経験をどう捉えるか/日本の経験のどこを大切にすべきか/移民をどこまで包摂すべきか/吹き荒れる排外主義の中で/日本の移民政策の未来/あとがき/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

68
これは多くの人、とりわけ移民増加に漠然とした不安を持つ人こそ読むべき本だ。少子高齢化の中での移民の現実について証拠をもって語り、巷に溢れる俗説を否定していく。特に戦後の日本の移民政策の変遷のなかに、在日コリアンとその支援者の粘り強い運動があったという指摘は、自分も目の当たりにしていたことであり納得できる。日本型雇用制度である社員のスキルアップを会社が行う仕組みが、特定技能などの外国人労働力のスキルアップに応用されているという見方も新鮮。現在日本でも排外的な風潮が高まっているが、自分の首を絞めることだろう。2025/12/18

うえぽん

49
社人研部長が日本の移民の歴史と未来について考察。永住型移民と留学生等の一時滞在型移民を区別し、先進国中日本は前者で10位、後者で6位の規模だという。家族移民は少ないことや1951年入管法で行政事務として植民地出身者を中心に「管理と排除」をした歴史から「移民政策の不在」との誤解が広まったのだとする。他方、1981年難民条約の批准や一定の技能を持つ外国人に「永住者」資格が選択肢として残った点を重視。人口減少の中、アジアの成長余力を受け止める視点を訴え、各種懸念の誤りも指摘。冷静な政策論に必要な基礎知識を提供。2025/10/31

Sam

46
期待していた以上に学びの多い有益な一冊だった(というか自分の無理解と誤解に愕然とした)。帝国主義時代以降に顕在化したグローバルな移民政策と紐づけながら戦後における日本の移民政策の歴史が非常に分かり易く説明されている。次いで詳述される移民理論も非常に興味深いもので、特に欧米の移民政策の理念とは異なり人材育成の理念も取り入れられているという日本型の移民政策はジョブ型~メンバーシップ型という雇用慣行の対比ともパラレルで非常に興味深く感じた。世界を排外主義が席巻しているが果たして移民はこれからどうなっていくのか。2025/12/07

よっち

30
少子高齢化による労働力不足や流動的な世界情勢を受け、近年多くの外国人がやってくるようになった日本の移民にまつわる基礎知識を第一人者が解説する1冊。2070年には人口の約10%に達するとも言われ、治安や社会保障に関する不安の声は多く、排外主義も台頭する状況で、移民は日本にリスクなのか。日本は欧米のように分断されるのか。移民なしではこの国はもたないのか。移民を必要とする構造を前提に制度を丁寧に解説していたものの、社会的構造や感情面での不安は認識不足では解決しない問題だけに、課題とどう向き合うのかも必要ですね。2025/12/01

おせきはん

26
旧植民地との関係の影響を受けてきた欧州とは異なる日本の移民政策について理解を深めることができました。様々な問題が起きているのも事実でしょうが、本書の指摘を踏まえ、日本に住む外国人と冷静に向き合う必要があるとの思いを強くしました。2026/01/03

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