無機的な恋人たち

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無機的な恋人たち

  • 著者名:濱野ちひろ【著】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 講談社(2025/10発売)
  • 梅雨を楽しむ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~6/14)
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  • ISBN:9784065219454

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内容説明

あの『聖なるズー』の著者が、ふたたびタブーに挑む

「人は無機物と愛し合えるか?」

2019年、人間と動物の性愛を描く『聖なるズー』で鮮烈なデビューを果たしたノンフィクションライター・濱野ちひろ。
待望の書き下ろしノンフィクションとなる今作のテーマは、「人と無機物のセックス」。
人は「人以外」と愛し合うことはできるのか?
セックスロボットが普及すると人々のセックス観はどう変わるのか?

AIに恋をする人々が出てきている今だからこそ、
「無機物とのセックス」を通して、近未来社会の「性と愛」を予見する。

【本書の内容】
第一章 シンテティックな愛は永遠に
シンテティクス(合成物質)でできた無機的な妻・シドレと暮らすデイブキャット。
この界隈では世界的に有名な夫婦である「二人」に、
著者は「参与観察(生活をともにして観察・記録する手法)」を試みる。

第二章 裏切りと喪失の経験
妻の不倫によって離婚したジムは、等身大人形のアンナを見つめながら言う。
「アンナは嘘をつかないし、秘密を持たない。唯一無二のパートナーなんだ」
裏切らないことーーそれが等身大人形に求められる最大の美点なのだろうか?

第三章 フェティシストと夫
「僕にとってドールは芸術品なんだよ。関係性はない」と語るジョゼフ。
「僕がショップから救い出したあの日から、ナタリーは幸せなんだ」と語るロジャー。
ドールフェティシストとドールの夫。二人との会話から見えてきた「愛の輪郭」とは。

第四章 ミクの夫として生きる
普段は公務員として働く近藤顕彦にとって、初音ミクは「イジメのどん底から救ってくれた」存在だった。
「我が家のミクさん」との生活を通して社会に波紋を投げかける近藤には、ある信念があった。

第五章 身体を探して
カリフォルニア州サンフランシスコで出会ったミア。
男性から女性になろうとしている最中の、トランスジェンダー女性だった。
彼女はなぜドールを必要とするのか。

第六章 秘密の実験
「絶対に秘密なんだけど」と、デイブキャットは私に言った。
「新しいドールをもう一体買おうと思っているんだ。セックス専用のドールを」

第七章 中国と日本のラブドールメーカー
中国ジーレックス社と日本のオリエント工業。
経営理念が異なる2社の「製造現場」から見えてきたものは…。

第八章 無機物の死
東大阪にある「人間ラブドール製造所」。
そこでは日々、ラブドールの「生と死」が繰り広げられている。
運営する新レイヤへの参与観察。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

76
人間と人間ではない者たちとの恋愛を追った 作品である。 人間ではない者たちとの生活を選んだ人々の 精神が丹念に描かれる… 等身大人形を選んだ人々は 裏切りや喪失のない 穏やかな日々を選んだのだろうか? AIが進化し、会話も洗練されてくると AIロボットとの 生活を選ぶ人々がもっと増えてくれるのだろうか? 正直よくわからない世界だが、人間よりも 無機的な恋人を選ぶ、そんな時代が来るかもしれない… そんな印象の作品群だった。2026/06/03

藤月はな(灯れ松明の火)

55
江戸川乱歩の某作品や映画『ラースと、その彼女』でも取り上げられる人形性愛者。この本はラブドールと生活を共に過ごす人々や人形を作るメーカー、人形になる事や人形を葬る仕事を行う人たちにインタビューを行い、彼らの思考を探るるポタージュである。最初の作者の打ち明け話は「おお、同志よ!」を経験した事がある者としてはニヤリとしてしまう。人形に愛はないが最も美しい状態にする事に尽力するジョゼフ(フェチスト)と人形を一個人として愛しているが彼女の劣化には無頓着なロジャー(夫)との違いや人形に付与されたAIでの受け答え機能2026/01/19

たまきら

32
ああ、「聖なるズー」の人だ、と冒頭の文章で気づきました。私個人は動物に性愛を含むパートナーシップを求める人たちよりは、無機物に愛情を注ぐ人たちの方がまだ受け止める余地があります。支配的な父親のもとで育った男性のエピソードは彼自身が人形のような存在だったのでは?と感じたし、仕事で機械のように扱われるという女性の「ラブドール」になりたいという気持ちにも共感できる。孤独な自己愛にもとれるが、自分を見下さない恋人だという意味では完璧なパートナーではないか。2026/04/06

ぐうぐう

27
前著『聖なるズー』と同じように濱野ちひろは、人間と人間でないものの恋愛をテーマにする。本書はタイトルからもわかるように、人と無機物との愛だ。ラブドールを中心に(とはいえ、ラブドールひとつをとっても、実に多様な思い、考え、関係性が存在することに驚かされる)、これまた前著同様に取材対象者と信頼関係を構築し、丁寧な取材をしているのが印象的だ。ノンフィクションライターとして、もう一歩踏み込んだほうが良いのでは、と思えることが何度かあるが、あえてそれをせず、(つづく)2025/10/27

Tαkαo Sαito

26
ラブドールにここまで奥深い世界が広がっているとは知らなかった。とても興味深く読めて素晴らしいノンフィクション作品だった2025/12/20

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