SB新書<br> 「科学的に正しい」の罠

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SB新書
「科学的に正しい」の罠

  • 著者名:千葉聡【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • SBクリエイティブ(2025/10発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 300pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784815633370

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内容説明

“物語られる”科学を切開し、縫合する一冊!!
神話後の世界では、愛も憎も科学を装う。
歴史を剔抉した時、真と善と美が分裂する…!
…さて我々は、いかにして違うまま、再び融合できるのか?
――魚豊氏(漫画家)

“真の科学”は研鑽と謙虚さの泉にきらめく。
“正しさのありか”がわからなくなったあなたのための一冊。
――磯野真穂氏(人類学者)

事実と真実の間で揺らぐ科学の落とし穴を赤裸々に解説した、驚くべき世界の現実。
――山極壽一氏(霊長類学者/京大元総長/総合地球環境学研究所 所長)

科学的な正しさをめぐる論争を歴史から緻密にひも解く。
一気に読ませる文章だが、得られる教訓は実に深い。
――出口治明氏(立命館アジア太平洋大学 学長特命補佐/名誉教授)

疑うだけでは足りない。「正しさ」の諸相を理解し、乗りこなすための刺激的な案内書。
――吉川浩満氏(文筆家)

本書は、科学的で一見正しいが、実は信用できない説明、誤った説明、有害な説明、さらには科学でない説明まで、現在や歴史的な事例から、権力、メディア、偏見やイデオロギー、ナショナリズム、客観性の過信と偽装、そして科学者自身が、いかに科学を棄損し社会に不利益をもたらしたかを示す。そのうえでどのような手を打てば科学の信頼性を守れるのか、「正しさ」なき虚無の到来を防ぐためにとれる手段を考えてみたい。(「まえがき」より)

『歌うカタツムリ』(第71回毎日出版文化賞)、『ダーウィンの呪い』(2024年新書大賞10位)で注目される進化学者が描き出す、科学の過ちと今に生きる教訓。

※カバー画像が異なる場合があります。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

121
疑似科学の紹介のような安直な本とは異なり、科学と価値観との関係を哲学的に考察する一冊。ルイセンコ学説のような悲劇的な歴史を反省しつつ、それでも「価値観を排除しない科学的な正しさ」が定着するポストモダンの思想。著者は、生物学、優生学、地学などを例として、「客観的な事実はありうるのか」「事実は一つではないのか」「事実から正しさは生まれるのか」と畳み掛ける。地球温暖化、パンデミック対策、原子力政策、生物多様性など、「科学的に正しい」とは何かを問われる課題に直面する中、多くの示唆を与えてくれるいい本だったと思う。2025/11/09

1.3manen

50
O図書館新刊棚より。定義は、事実の説明。いま一つは、科学に基づく意思決定(4-5頁)。改めて、科学の定義:観察・実験・史料批判・計算・モデル化などオープンな手続きによって得た証拠をもとに、再現・再解析・相互照合可能な形で仮説や理論を構築し、未観測検証や過去の痕跡を統合的に説明・予測するとともに、検証結果に応じて自己習性される知的探究(30頁)。数値指標が示す=客観的事実の信念が強いほど、指標の理由や潜む価値判断が見えなくなる(69頁)ということに注意したい。2025/12/24

よっち

33
科学的説明が一見合理的に見えても、偏見やイデオロギーに基づき、社会に深刻な害を及ぼす可能性がある。事例からいかに不利益をもたらしたかを示す1冊。危機の予防は陰謀とされる科学的な正しさの罠や、なぜ事実は歪められるのか、なぜ正しいと思いむのか、客観的な事実はありえるのか、どのように事実は偽装されるのかなど、具体的な過去の事例を挙げて解説しながら、科学的事実を「価値中立」として扱うことの危険性や社会的責任を伴う説明を行う必要性を指摘していて、単なる疑似科学批判ではなく科学と社会の関係を深く考えさせる1冊でした。2025/11/13

まゆまゆ

15
科学の結論はいつも暫定的であり、ときに人々の願いや価値観によって偽の正しさが台頭したり、事実に合致する以外の意味を含むことがあることを語る内容。これまでも価値観で科学的な事実の正誤を判断する人が一定いて、そのような人が政治的を含めて影響があると、混乱と対立を生んでしまう。「科学的に正しい」と聞いたら少し立ち止まってみよう。2025/11/19

アドソ

11
タイトルからはよくある「疑似科学警告本」かと思い、 軽い気持ちで読み始めたが、これがなかなか重く硬い内容だった。自然科学の研究が正しいかどうかは、その価値とは無関係である。価値が先行して研究の正誤が決まるようなことがあればそれは疑似科学である。ただし価値中立を偽装した科学や、科学を装ったイデオロギーが科学を脅かしてもいる。一方で科学研究が正しいからといって、それを無邪気に世に発信してよいという時代でもなくなった。研究者が背負わされているものが大きすぎやしないか。2025/12/29

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