内容説明
〈戦後最大の“捕虜収容所×忠臣蔵”サスペンス〉
終戦直後、ラバウル。
10万の日本兵がひしめく捕虜収容所で、元情報将校に下された密命はただ一つ――「禁じられた忠臣蔵を上演せよ」。
暴動の火種がくすぶる舞台に、紙の雪は降るのか。
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【読みどころ】
●実在した〈ラバウル捕虜収容所での忠臣蔵上演〉がモデルの歴史サスペンス。
●ジャングルに舞う“雪”が暴く、戦争VS芸術の衝突。
●密林の奥と、地下迷路に封印された〈戦中の極秘事件〉――衝撃の真相ミステリー。
●かつて殺し合った日本兵と豪州軍人。そこに芽生える、希望の絆。
●戦後80年、日本人の「生き方」を問う壮絶なスペクタクル。
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【推薦コメント】
「手に汗握る反乱劇。映画化を熱望!」
――鴻上尚史(作家・演出家)
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「異色の舞台と題材、謎を呼ぶストーリー、熱い人間ドラマ。
どれもが面白く、読みどころが多すぎる」
――細谷正充(文芸評論家・アンソロジスト)
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戦争が終わった時、いかに生きるかの戦いがはじまった。
エンターテインメントで描く〈慟哭〉と〈感動〉の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
hiace9000
114
図書館書架で偶然目があった一冊。 南方戦線舞台の戦争小説。時は戦後間もない混沌期。武装解除された日本人十万人が収容されるラバウルの収容所。生き残ったことに様々な思いを抱く日本兵たちが立ち上げたとある計画とは―。数々の映画・ドラマを手掛けた実力脚本家である作者は、多様な人物を巧みな造形で彫り出し、実話ベースの手に汗握る感動の長編ヒューマンサスペンスに仕立てる。戦争への怨嗟と戦後の希望を見事編み上げた、到底"デビュー作"とは思えぬ映像化必至の傑作。「戦後八十年」と銘打つ数ある作品群のなかでも珠玉の一作だ。 2025/11/09
モルク
79
第二次大戦後のラバウルには十万人の日本兵が残され豪軍監視の元収容所生活を送っていた。第9収容所で元役者を中心に「忠臣蔵」を上演することになったが、玉砕を美とする日本的思考の残るなか暴動の噂があり霧島がその調査にあたる。芝居の準備が進むと共に暴動の気配も強まる。そしていよいよ訪れた上演の日、楽しみに集まってくる旧日本兵たち。一丸となった役者、美術、裏方の面々…そして舞台の幕が上がる。映像を見ているように引き込まれた。なるほど著者は脚本家なのね。雪の降る様子は美しく、兵士と共に涙を流した。2025/12/29
オーウェン
49
太平洋戦争後、多くの日本人兵が囚われていたラバウル捕虜収容所。 敗戦後ということで、日本兵は打ちひしがれており、その心を鼓舞するため忠臣蔵の劇を作るという提案を掲げる。 許可を得るため支配しているオーストラリア兵に頼み込み、各分野で力を発揮する兵たち。 演じる役者は勿論だが、美術やセットにまで並々ならぬこだわりが。 そのために自決するという命の限りを尽くしてまで全うする。 やはり敗残兵という心情があり、生きることは恥とされる当時の兵士の心情が伺える。 劇に応じて暴動を扇動しようとする者への制裁も当然である2025/11/28
アルピニア
41
第二次大戦中、ラバウルには10万人の日本兵が配置された。地下要塞、自給自足態勢を整え決戦の時を待っていたが、終戦。彼らは豪軍監視のもと武装解除し、自ら設営した収容所で、いつになるかわからない本国帰還を待っていた。そのような状況下、第九収容所で「忠臣蔵」を上演する構想が持ち上がった。しかし暴動計画の噂も。霧島は暴動を阻止する密命を受けて第九収容所に向かった。地下司令部で霧島と永峰が対峙する場面では、私も永峰に飲み込まれそうになり、心の中で霧島と一緒に違うと叫んでいた。戦争による心の傷の計り知れなさを感じる。2025/12/10
rosetta
35
★★★★☆超現実的な事が起きるわけではないのに何故かマジック・リアリズムの雰囲気。それは地下迷宮という異世界に奥泉光的なものを感じてしまうからなのかも知れない。終戦時ラバウルには手付かずの10万人の日本兵が、東京から浜松に至るほどの長さの地下基地を掘り自給自足で温存されていた。元商社員の情報将校霧島はゼングル岬で全滅した五百人の部隊のことが心の傷になっている。それは全10万人の玉砕の先陣だった。戦後の収容所で虜囚達が忠臣蔵の上演を計画するが、その影には反乱が企てられていた…命の姿と生きる価値を問う戦争文学2025/09/11
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