現代日本のエリートの平等観――社会的格差と政治権力

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現代日本のエリートの平等観――社会的格差と政治権力

  • 著者名:竹中佳彦【編】/山本英弘【編】/濱本真輔【編】
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 明石書店(2025/10発売)
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  • ISBN:9784750352862

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内容説明

なぜ格差は是正されないのか?
1980年に三宅一郎氏らが実施した「エリートの平等観」調査。今あらためて同じ課題に取り組み, 「一億総中流社会」から「格差社会」への40年間の変容を実証的に分析。

政治的エリートの平等認識, 平等に関する価値観はどのように変化してきたのか。
また, それに伴って政治対立の構図はどう変わったのか。
さらに, 有権者の平等観とはどの程度の差異があるのか。
第一線の政治学者たちが不平等のさまざまな側面を取り上げつつ探究する。

目次

序[竹中佳彦]
第Ⅰ部 平等をめぐる理論と文脈
第1章 平等をめぐる理論と文脈[竹中佳彦・近藤康史・濱本真輔]
1 はじめに
2 なぜ「エリートの平等観」なのか
3 平等をめぐる規範理論
4 平等をめぐる実証研究
第2章 調査の方法と回答者のプロフィール[竹中佳彦・山本英弘]
1 はじめに
2 エリートの実証研究
3 調査の方法
4 回答者のプロフィール
5 おわりに
第Ⅱ部 エリートの社会経済的平等観
第3章 平等観と保革イデオロギー[竹中佳彦・遠藤晶久]
1 はじめに
2 エリートの保革イデオロギー
3 平等認知と保革イデオロギー
4 保革イデオロギーと平等価値
5 おわりに
第4章 経済的平等:不平等認知は再分配政策につながるのか[久保慶明]
1 はじめに
2 戦後日本における経済的平等と再分配政策
3 経済をめぐる平等認知と平等価値
4 社会保障と税制に関する態度
5 おわりに
第5章 ジェンダー平等:右傾化か,経済か,フェミニズムの定着か[大倉沙江]
1 はじめに
2 現代日本におけるジェンダー平等と女性政策
3 エリートの女性やジェンダー平等に対する態度とその変化
4 保革イデオロギー/平等認知との関係
5 おわりに
第6章 世代間平等:「シルバー民主主義」の実像[遠藤晶久]
1 はじめに
2 現代日本における世代間不平等
3 有権者は世代間不平等を認知しているか
4 エリートと高齢者の認知,選好は一致するか
5 おわりに
第7章 平等価値の階層構造:基底的平等価値の記述的分析[鈴木創]
1 はじめに
2 基底的な平等価値
3 平等をめぐる選好に基づく有権者とエリートの分類
4 機会の平等か結果の平等か
5 おわりに
第Ⅲ部 政治的平等の諸側面
第8章 政治権力構造とマスメディア:レファレント・プルーラリズムのゆくえ[山本英弘・竹中佳彦]
1 はじめに
2 エリートの政治的影響力
3 レファレント・プルーラリズムの現状
4 おわりに
第9章 政策ネットワーク:官民関係の現状と変容[柳至]
1 はじめに
2 官民の政策ネットワーク研究
3 ネットワークの現状と変化
4 おわりに
第10章 「一票の重み」の不平等が政治家に及ぼす影響[今井亮佑]
1 はじめに
2 背景
3 分析結果
4 おわりに
第11章 経済的平等に関する応答性:エリートと有権者の考えは一致しているのか[山本英弘]
1 はじめに
2 経済的平等に関する変数
3 エリートと有権者の平等観の整合性
4 おわりに
第12章 有権者の応答性認識にみる政治的平等:男性,高齢者,農村部に偏る政治[濱本真輔]
1 はじめに
2 応答性認識
3 誰に応答しているのか
4 おわりに
終章 現代日本のエリートの平等観の諸相と権力構造・ネットワーク・応答性[竹中佳彦]
1 結論:本書の問いに対する知見
2 規範理論との接点をめぐって
3 含意と今後の課題
[付録1]エリート調査の実施方法[一般社団法人 輿論科学協会]
[付録2]社会的平等についての各界リーダー意見アンケート票
[付録3]社会的平等についてのアンケート
参考文献一覧
事項・人名索引
執筆者紹介

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

バーニング

7
最後に触れられているように各エリートの平等観がどのようなメカニズムで形成されたのかや、平等観と政策形成の関係性についての分析には限界がある。それでも5章で示された「女性の労働力化については肯定的だがそれはフェミニズムの影響ではなく経済界の要請」であること、6章で示された「年金制度におけるシルバーデモクラシーは観察されない」こと、11章で示された「一部の政治エリートの意見が政策に多く取りこまれており、マスコミの影響力は相対的に低下している」と言った指摘は今後の日本政治を考える上で重要な知見であると思われる。2025/08/29

K

3
エリートを、政党(保守・中道・革新)、官僚・自治体職員、各種団体(経済、農業、商工、市民)、労働組合、専門家、学者・文化人、マスコミのカテゴリーに分け、経済的/ジェンダー/世代間平等、政治過程における平等といったテーマにつき、有権者との間で平等認識を比較、さらには1980年実施の同様の調査と比較するという、壮大な社会調査をまとめた本。保守政党や経済団体、官僚という既得権益を有する意思決定層の方が社会は平等とか言っちゃうおめでたい認識を持ちがちなのがやっぱりな、というか軽い絶望感というか。2022/07/07

takao

1
ふむ2023/07/07

Muga

1
1980年代より外国人や女性に対して不平等だと考える数が増えている→実際に平等になってるのと、現状が平等だと認識してるのとは違うようだ。また、自分にちょっと有利になってるくらいの状態を平等だと認識する傾向があるようで、人間は自分の肉体の経験に縛られた存在だと何度目かわからないがつくづく思う。2022/08/20

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