内容説明
東京・下落合、戦火を逃れた邸宅に集められた4人の女性。
GHQの一声で、彼女たちの人生を変えるハチャメチャな同居生活が始まった。
1946年11月、日本民主化政策の成果を焦るGHQがはじめた “民主主義のレッスン”。いやいや教師役を引き受けた日系2世のリュウ、地位と邸宅を守るためこの実験に協力した仁藤子爵夫人、生徒として選ばれた個性豊かな4人の女性――それぞれの思惑が交錯する中、風変わりな授業が幕を開ける。希望と不安、そして企み……。波乱の展開が感情を揺さぶる、今年一番の超大作!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
191
敗戦国日本へのGHQによる民主化政策。日系通訳官サクラギは4人の日本人女性への民主主義教育役に任命される。6カ月に渡るドタバタと最後にまさかのどんでん返し。強烈なキャラたちに大笑いしながら、民主主義の真髄も見えてくる傑作です。2025/11/12
starbro
172
森 絵都は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、著者6年ぶりの長編小説、戦後民主主義レッスン譚でした。GHQが日本に民主主義を定着させるにあたって、本書の様なエピソードがあったのでしょうか❓ 興味深く、面白く読みましたが、少し冗長な気がしました。 https://kadobun.jp/special/mori-eto/democracy-no-iroha/2025/11/05
buchipanda3
97
戦後、間もない頃が舞台。デモクラシーという堅めのお題となっているが、当時の女性たちの人間味溢れる群像劇として面白く読めた。GHQ主導の民主主義のレッスンを受ける彼女らは同じ年頃でも、みな違う戦争体験をしていて想いも違う。それだけに教師役のサクラギも四苦八苦。でも徐々に、というよくある展開かと思ったがそればかりではなかった。答えは教えて貰うばかりではなく、自分の物語を紡ぐ中で見つけていくものなのだなと。オホホおばさんにマネカッサー、何より和太鼓の師匠と脇役もドラマ向き。あとヤエ太鼓には二度愉しませて貰った。2025/11/12
樋口佳之
66
初めての著者。ちょっとだけ確認した範囲で児童文学をカバーしている方ですが、本作、青少年少女向けに大変お薦めではと読み終えました。GHQ民政局、ニューディーラー、ケーディスの描かれ方や、語り口が現代風に多少寄りすぎではと思う部分がありましたけれども、デモクラシーってなんぞってお話を、敗戦直後の状況を描く酷く固すぎない物語の中で、今を生きる読み手として考える事ができると思います。/「民主主義者によってのみ民主主義は支えられる」どこかで読んだ言葉ですが、では、民主主義者って何?一つの答を読んだように感じます。2025/10/15
pohcho
58
戦後の東京、子爵夫人の別宅で始まったGHQによる民主主義のレッスン。出自も経歴もさまざまな二十歳前後の4人の女性が、半年間ともに暮らしながら「民主主義とはなにか」を学ぶ。堅苦しい授業、打ち解けない生徒たち、居眠りばかりする生徒もいて前途は多難。しかし、紆余曲折を経て少しずつ絆が生まれレッスンもうまく進む・・のかと思いきや、後半は意外な展開に。民主主義とはなにかという質問に、最後に四人が出した答がそれぞれとてもよかった。和太鼓の師匠が最高。もどかしい二人の最後の「補習」もよかった(孝子さん可愛い)2025/11/08




