内容説明
東京・下落合、戦火を逃れた邸宅に集められた4人の女性。
GHQの一声で、彼女たちの人生を変えるハチャメチャな同居生活が始まった。
1946年11月、日本民主化政策の成果を焦るGHQがはじめた “民主主義のレッスン”。いやいや教師役を引き受けた日系2世のリュウ、地位と邸宅を守るためこの実験に協力した仁藤子爵夫人、生徒として選ばれた個性豊かな4人の女性――それぞれの思惑が交錯する中、風変わりな授業が幕を開ける。希望と不安、そして企み……。波乱の展開が感情を揺さぶる、今年一番の超大作!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
60
物語の舞台は、戦争が終わったばかりの東京。GHQ主導の「民主主義レッスン」で、性格も立場もバラバラな女性たちが共同生活を強いられます。彼女たちが教わるのは、選挙や法律といった制度の話ではなく、「与えられた物語を信じず、自分で物語を生きること」という、個人の内面に深く関わるテーマでした。この物語が辿り着く結論の温かさ。デモクラシーの究極の目的は、大きな主義主張ではなく、ささやかな日常の幸福を守り、それを「終わりのない物語」として紡いでいくことなのだと。読み応えがあった。2025/10/21
樋口佳之
51
初めての著者。ちょっとだけ確認した範囲で児童文学をカバーしている方ですが、本作、青少年少女向けに大変お薦めではと読み終えました。GHQ民政局、ニューディーラー、ケーディスの描かれ方や、語り口が現代風に多少寄りすぎではと思う部分がありましたけれども、デモクラシーってなんぞってお話を、敗戦直後の状況を描く酷く固すぎない物語の中で、今を生きる読み手として考える事ができると思います。/「民主主義者によってのみ民主主義は支えられる」どこかで読んだ言葉ですが、では、民主主義者って何?一つの答を読んだように感じます。2025/10/15
ゆっき
33
戦後の日本。民主主義とは何なのか。GHQが始めた「民主主義のレッスン」に選ばれた4人と教師役の日系2世リュウ。したたかな協力者の仁藤子爵夫人の鞠子。何でもできる才女の美央子。自由奔放な洋裁が得意な吉乃。真面目で頑張り屋の孝子。無関心なヤエ。「傷だらけの過去を背負って未来へ進んでいく」個性豊かな女性たち。試行錯誤を重ね自分たちなりに民主主義を学び日々成長。新しい物語へと突き進んでいく姿に勇気をもらった。4人がレッスンを終え出した答えに感動。リュウの努力も報われてよかった。久しぶりの森絵都さん最高でした。2025/10/21
かっち
3
902025/10/26
ムートン
3
話が軽妙で、600ページをあっという間に読み終えた。2025/10/23




