内容説明
ポーランド出身のユダヤ系移民の子としてパリに生誕したペレックは、第二次世界大戦によって戦争孤児となり、想像を絶する人生の断絶を体験した。
やがて作家として歩み出すと、実験文学集団ウリポ(潜在文学工房)への加入を契機に、特異な言語遊戯小説の制作者として知られるようになる。
フランス語で最も出現頻度が高いEの排除という「制約」によって成された『煙滅』や、集合住宅での人・物・出来事を徹底して描出した『人生 使用法』など、その作品群はどれも現代的問題性を宿した重要な達成とされ、評価は歿後ますます高まっている。
本書は『煙滅』日本語訳という容易ならざる作業を成したフランス文学者が、この「世にも稀なる風変わりな文学的個性を持つ、およそ誰とも似ていない作家」(カルヴィーノによるペレック評)の、人と作品が秘めたものを存分に語りながら、その魅力へと縦横に迫った労作である。
異なるアプローチから成る作品論を重ねつつ、〈日常〉〈自伝〉〈遊戯〉〈物語〉という四領域を満遍なく扱う総合的読解を志向した本書の方法的特徴も注目されよう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nranjen
7
今年の春、ペレックの全集がガリマールから出版されると同時に購入したはずなのにすっかり積ん読本になっていた日本初のペレックを論じた本。豊富な資料をどう活用したらこのように自らの主張に構築していけるのだろう。先に読んだ非常に退屈を感じる論文との違いは何か。作品を論じた文章はそれを読んで何かを気づかされたり、さらに理解を深めるものでありたいという目標にかなっている。それはどういうことなのか。人生使用法はまだ読んでいないせいか頭に入っていない。「おわりに」でペレックの見過ごされがちな素晴らしい点が指摘されている2017/12/20
monado
1
『煙滅』『W』『人生使用法』『さまざまな空間』を章立てて、常に新たな作品を書き続けたペレックの手法を分析してゆく。同じような作品を二度書かないというペレックの理念、それでありながらそこに通底している制約と遊戯性を辿る。2025/05/05
ami
0
よかったです。2021/03/23
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