近代日本の優生学――〈他者〉像の成立をめぐって

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近代日本の優生学――〈他者〉像の成立をめぐって

  • 著者名:本多創史【著】
  • 価格 ¥3,960(本体¥3,600)
  • 明石書店(2025/09発売)
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  • ISBN:9784750353180

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内容説明

ある人々を断種手術の対象として見なすのは、彼らが子孫を残すことは共同体のためにならないと判断したからだ。
では科学者たちはいかに彼らを〈他者〉として措定し、手術の導入を正当化したのか?
――近代日本で優生学が定着していく様相を描きとった気迫の書。

目次


第1章 遺伝学と優生学――「進化学専攻」海野幸徳の選択
1 ゴルトンの優生学
2 海野幸徳はゴルトンをどのように「読んだ」のか
3 優生学と社会事業と
4 機械論の時代
5 国際競争での勝利と人種改造
6 シャルマイヤーおよびプレッツとのちがい
第2章 接地――加藤弘之、井上哲次郎、永井潜の人間認識と提言
1 経歴と作品――加藤弘之と井上哲次郎を取り上げる理由
2 加藤弘之の自然科学主義
3 井上哲次郎の自然科学主義批判
4 「意志」論の限界
5 精神・意識・意志に与えられた意味
6 永井潜の限界
第3章 興隆――優生学、政府調査会答申に盛り込まれる
1 永井潜の執念
2 産児調節に関する識者の見解
3 政府調査会の審議過程とその結果
4 「個人的優生学」から「階級的優生学」へ
5 暉峻義等の初期の問題関心
6 社会衛生学、その発展
7 社会衛生学、その完成
第4章 洗練――古屋芳雄による生物統計学の応用
1 経歴と作品
2 文学者としての古屋芳雄
3 「苦悩」の価値転換
4 『医学統計法の理論と其応用』と『優生学原理と人類遺伝学』
5 人類遺伝学から国民優生法へ
第5章 決定――浮上する断種手術
1 産児調節からの分離
2 『優生学』(一九二四~一九四三年)
3 『優生運動』(一九二六~一九三〇年)
第6章 主流派批判――木田文夫の思想の冒険
1 経歴と作品
2 主流派優生学批判
3 「新しい遺伝学」の提唱
4 木田の主張


あとがき

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