梧桐に眠る

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梧桐に眠る

  • 著者名:澤田瞳子【著】
  • 価格 ¥2,039(本体¥1,854)
  • 潮出版社(2025/09発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784267024733

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内容説明

直木賞受賞後、初の長編連載が待望の単行本化!

天平の寧楽(奈良)、欲望渦巻く平城京に
投げ出された異邦人と浮浪者たちーー。

国家の秘事に巻き込まれて唐から来朝し、
不安と孤独な生活を強いられた袁晋卿(えんしんけい)は、
浮浪児と出会い、心を通わせていく。
争いの渦の中でもがき生きる彼らの姿を
稀代の作家が精緻な筆致で描く、衝撃のデビュー作『孤鷹の天』へと続く物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

151
長安在住の青年を帰国する遣唐使が強引に日本へ連れ帰る冒頭は、北朝鮮による日本人拉致事件を連想させる。理由もわからず肉親と引き離され、異国に放り出されるとは究極の不条理なのだから。しかし唐語話者の多い奈良の都で、権力者から浮浪児に至るまで多くの出会いを経て帰国を諦めてしまうプロセスは「人とは慣れる生き物」と思わされる。制度も法律も未熟で宗教と政治が渾然一体となった時代情勢に翻弄されながら、逞しく生きて行こうと決意する成長小説と読める。ただ最後に明かされる拉致の理由は、外交絡みとはいえ今ひとつ納得し難かった。2025/10/07

hiace9000

126
平城京が舞台の今作。知識人として大陸から招聘されるも言葉の通じぬ孤独と渡来の後悔に苛まれる異邦人・袁晋郷。戸籍も持たず社会の中で置き去りにされ、明日をも知れぬ身の浮浪児・狭虫、狗尾、駒売ら。いずれも寄る辺なき者たちの葛藤と生き様をありありと眼前に蘇らせ描く。あらゆる時代に遷移しても、いつもながらの精妙なる人物造形と細やかな描写は澤田筆の真骨頂。寧楽(奈良)の京から現代を照射し、今も昔も変わらぬ世の矛盾と人間の本質に迫る。この地に生きる意味を見出し、自らの思考と境涯の地平を拓く清々しさを「梧桐」が象徴する。2025/09/23

はにこ

75
奈良時代のことを全然知らないので、どの登場人物にもピンと来なかったけど、袁晋卿も実在の人物らしい。騙されたとも言える状況で日本にやってきて、政治に巻き込まれていく。結婚させられそうになったり、売られたり。そんな中で出会った浮浪児。狭虫、素直で良い子だったなぁ。この頃の知識があればもっと楽しめたかも。これを期に色々調べてみたい。2025/11/19

pohcho

69
平城京時代の奈良。日本にきた唐人・晋卿はいきなり浮浪児に襲われる。その後与えられた屋敷を出て、権力者・藤原宇合の屋敷に居候するが・・。晋卿という人物は頑固で難しいところがあるが、気持ちの優しい面もあり。異邦人である彼のさまざまな感慨がとても興味深く感じられた。また、後半は殺されかかったり謎が明らかになったり。物語に起伏があって読ませる。史実を知っていればもっと楽しめたかもしれないが、知らなくても十分楽しめた。「市井の一人であることこそが生きる意味」という晋卿の考えに共感。誠実な狭虫には幸せになってほしい。2025/09/18

がらくたどん

66
8世紀前半、大唐に逗留していた東海の新興国日本の遣使団の帰国船に一人の若い唐人の姿があった。長安で出会ったやたら押しの強い学僧玄昉の書籍収集を手伝ううちに「つい」異国に行ってみたくなった自分探し中のモラトリアム青年は名を袁晋卿と言う。取り柄はない。胆力もない。野望なんてある訳もない。ただ不思議な心の柔らかさを持った青年が居場所を求めてようやく国としての骨格を整えた日本の都・奈良を彷徨う。飢餓・疫病・権力抗争・漂う諦念・不可解な受容。自らも浮遊し迷う異国の瞳が映す世界は、苛烈な無常と優しい抱擁に満ちていた。2025/10/20

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