内容説明
『新著聞集』の話を大胆に脚色した「茶わんのなか」をはじめとして,日本各地に伝わる伝説や怪談を再話した9篇からなる「古い物語」と,ハーンの死生観・哲学的思想が顕れる「草ひばり」「露のひとしずく」など11篇の随筆からなる小品集.『怪談』と並び,純化渾一された密度の高い名作と謳われる.(解説=円城塔)
目次
古い物語
幽霊滝の伝説
茶わんのなか
常 識
生 霊
死 霊
おかめのはなし
蝿のはなし
雉子のはなし
忠五郎のはなし
ある女の日記
平家蟹
螢
露のひとしずく
餓 鬼
いつもあること
夢 想
病のもと
真夜中に
草ひばり
夢を食うもの
訳者解説……………平井呈一
解説……………円城塔
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
104
ハーン(小泉八雲)の今までに出された中であまり収められていない作品を集めたもので、怪談のような感じのものとエッセイ集が中心となっています。私はハーンが好きでかなり読んでいますが、いくつか既読のものもありましたが、平井呈一先生の訳で楽しめました。また解説が円城塔さんでめっけものでした。2025/08/18
ねこ
81
朝ドラ「ばけばけ」の主人公のご主人、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の名著。20遍の小品が収められていますがいずれも明治時代の薫り高く読者を異界へいざないます。私が好きな作品は「幽霊滝の伝説」「蝿の話」「ある女の日記」「草ひばり」(YouTubeから草ひばりの音を聴きながら読みました)「夢を食うもの」です。この時代まだ、人の世と魑魅魍魎の世界が曖昧で今とは全く違って居ただろう事に思いを馳せました。2025/10/09
藤月はな(灯れ松明の火)
59
朝ドラ効果か、小泉八雲関連の本が図書館に多く、入り、ホクホクしてしまう。『怪談』としてよく、知られている耳なし芳一や雪女の話などのオーソドックスなものではなく、今昔物語や宇治拾遺集などの説話を扱ったものばかりなのでややマイナー寄りでありながらも古典を愉しめる一冊。尚、『八雲が殺した』(赤江瀑)の元ネタとなった『茶碗の中』も収録されていますので併せてどうぞ!明示を生きた女性の物語としても資料としても価値がある「ある女の日記」が面白い。また、「草ひばり」=蟋蟀飼育談の締めにあわれを噛み締めるしかない。2025/10/08
まさ☆( ^ω^ )♬
10
先日読んだ岩波文庫版の「怪談」に続けての読書だった。「怪談」に並ぶ名作と言われる本作だが、岩波文庫版は絶版になっていた様で、改版として復刊されたみたい。初版は1940年になっていて、重版されなかったのは意外に思った。確かに「怪談」と比べると地味な感じではある。怪談は少々、エッセイ、随筆、思想的な文章が中心。平井呈一訳も良いのだと思うが、どれも味わい深い文章が読んでいて心地良い。円城塔さんの解説も一読の価値あり。ハーンの著作は復刊が続くみたいなので、この機会に買い求めておこうと思う。NHK朝ドラ効果!2025/08/24
TI
5
ラフかディオ・ハーンの作であるけども怪談集ではない(少し入っているけど)。怪談期待で読むとがっかりかも。2025/10/11
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