内容説明
脳科学の知見と最先端のAI研究でわかってきた人間の能力を科学的に最大化する方法
茂木氏の英語の著作が世界で話題である。生きがい(IKIGAI)は、世界31ヵ国、29の言語で翻訳出版され、ドイツではノンフィクション部門18週連続1位。2冊目の英語の著作The Way of Nagomi(「和みの道」)もドイツでベストセラーになるなど、日本の伝統的価値観の重要性を説いて海外で大反響。
世界の研究者と議論を重ねる英語圏のAI最先端サークルでも、日本的価値観と日本人の役割が話題になっている。一方で、日本は研究者の数も予算も世界から周回遅れの現状。それでも、国、会社、学校、社会…すべてのシステムが圧倒的な変化を余儀なくされていく。対応できなければ取り残される時代。逆に言えば一歩抜け出すことができれば、成功の可能性は飛躍的に高まる。AIと脳科学の最先端研究に接する脳科学者・茂木健一郎が、無知を越え、脳を覚醒させ、自身を劇的にアップデートさせる方法を解説する。
【目次】
はじめに
・「AIに仕事を奪われる」は本当か
・なぜAIが、脳を覚醒させるのか
第1章 「バカの壁」の向こうで起こっているAIの真実
・AIの性能は人間の脳の100億倍
・「バカの壁」=「AIの壁」の向こう側で議論されていること
・肉体労働の価値が爆上がりする
・「コレクティブ・インテリジェンス」(共同知能)とは何か?
・IQも偏差値も無意味化する未来
・AIは永遠に人間の「本音」を理解できない
・AIと身体性①――AIに身体性を求めるのは無理ゲー
・AIと身体性②――AIを使いこなす人ほど自らの身体性を求める
・AIで進化する人、退化する人
・表のAI、裏のAI
・『ドラえもん』とAIアライメント
第2章 脳はAIで覚醒する
・AI導入で生産性が5倍に
・脳覚醒のカギは「利用」と「探索」
・ピボットというキーワード
・タラウマラ族はなぜ200キロも走り続けることができるのか
・脳が喜ぶ「コラボレーション」と「クロスオーバー」
・アニマルスピリッツが脳に革命を起こす
・イーロン・マスクと『銀河ヒッチハイク・ガイド』
・「5才児の探究心」に隠された脳の秘密
・ドーパミンを放出する「むちゃぶり」
第3章 AI時代に求められる「いい人」の定義
・まったく新しい「いい人」の時代
・世界を席巻する成功者たちはなぜ「謙虚」なのか
・協調性を脳科学的に再定義する
・「マウント」より「好奇心」
・「人に迷惑をかけない」は正しいか
・「あの人がああ言うから、自分もそう思う」をやめる
・「八方美人」は高度な行動スキル
・遠くを見ながら、手元のことに集中するフロー理論
・期待を「超える」と脳が喜ぶ
第4章 AIに不可能な3つの能力に磨きをかける
・古くて新しい「社会のために役立とう」という生き方
・選択力①~④
・コミュニケーション力①~⑥
・創造性①~⑤
おわりに
【著者紹介】茂木 健一郎(もぎ・けんいちろう)
脳科学者。1962年、東京都生まれ。ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員。東京大学大学院特任教授(共創研究室、Collective Intelligence Research Laboratory)。東京大学大学院客員教授(広域科学専攻)。屋久島おおぞら高校校長。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了、理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て、現職。脳活動からの意識の起源の究明に取り組む。
著書に『脳と仮想』(小林秀雄賞)『今、ここからすべての場所へ』(桑原武夫学芸賞)、『頭は「本の読み方」で磨かれる』(三笠書房)、『クオリアと人工意識』(講談社)など多数がある。