内容説明
東京の町田市内で飲食店の女性経営者が突如行方不明となった。常連客から出された捜索願に、警視庁捜査一課の山本俊太郎と信楽は、殺人事件の匂いを嗅ぎ取る。だが、有力な容疑者には完璧なアリバイが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
124
二係捜査シリーズは読んでいない。どうやらこれはその信楽刑事が先輩と共に捜査修行(?)の頃の話らしい。信楽がバディを組んでいるのは山本俊太郎警部補だ。この先輩がデキる。が、信楽も負けて無いと思う。努力と感性、ひたむきな姿勢が好い。事件はどこで繋がるのか、やきもきしながらページの先を追った次第。嵌められ堕ちていく過程は蛇に睨まれた蛙のごとくだったのだろうさ。だが、なけなしの良心が残っていた。これが救いか。地道な捜査を通して受け継ぐ気概と矜持が心地よかった。2025/10/28
タイ子
69
2係捜査シリーズでお馴染みの信楽京介刑事がまだ先輩の元で「遺体なき殺人事件」の捜査に必死に喰らいついていた頃の物語。先輩・山本俊太郎警部補の一挙手一投足を見ながら、刑事としての心構えを学んでいく姿が今の信楽刑事がこうやって作られたんだなってしみじみ感じる。行方不明になった女性が絶対どこかに埋められている。それだけを信じて2係の捜査は続く。警察側と犯罪を犯す者たちの経過を交互に描きながら、徐々に追い詰めていく過程は面白い。優秀で尊敬する先輩から引き継がれるものは、それを引き継ぐ後輩にかかっているんだな。2025/10/17
きあら
19
スナックのママの行方が分からないとの訴えがあり、調べ始める山本と信楽。信楽が二係に異動してきた頃の、遺体なき殺人事件の捜査を覚える頃の話。切れ者や切れ者の切れ者がいない二係捜査やまだペーペー感のある信楽は物足りなさを感じないでもないけど、二係捜査の原点を見れて良かった。信楽が帰りに一杯飲むのも知れて良かった。2025/10/30
chuji
3
うさぎやTUSTAYAで購入した本。2025年9月初版。書き下ろし。松井がジャイアンツで55番を背負っていた頃の譚。警視庁捜査一課の警部補から巡査部長へ刑事の矜持を継承する。2025/11/06
minu tanu
3
二係捜査信楽の若き日の事件。嵌められていく若者の描写が古くさい。今の子ならこんな単純な事に引っかからないでしょう。本作は山本刑事と信楽刑事の執念とタイトル通りの継承が主題。2025/09/30




