革命と内戦のロシア 1917-21(下)

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革命と内戦のロシア 1917-21(下)

  • 著者名:アントニー・ビーヴァ―【著】/染谷徹【訳】
  • 価格 ¥3,861(本体¥3,510)
  • 白水社(2025/09発売)
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  • ISBN:9784560091647

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内容説明

小泉悠氏推薦! 円熟の大家による精彩な戦史

二月革命から、十月革命、反革命派の抵抗と軍事衝突、赤軍と白軍の内戦、欧米や日本の軍事介入、虐殺と報復の連鎖、大規模なポグロムまで、物語性と学術性を兼ね備えた決定版!
戦争は国家間の怨念、民族間の憎悪、階級間の闘争などの要素が複雑に絡み合って生ずる事象だ。ロシアでは極端な主張をする勢力が優勢となり、そのレトリックと暴力は悪循環となって亢進した。(その過程が、最終的にはヒトラーによる政権奪取と第二次世界大戦の勃発に至る。)ロシアの内戦は、中央集権主義と地方主義の対立、権威主義と自由主義の抗争などが関係し、「凝縮された世界戦争」とも言うべき戦闘だった。
この凄まじい歴史は重要な教訓を数多く残している。第一に、外国の戦争に介入することの危険性だ。介入に至るまでの雑多な動機が判断の間違いを生み、非生産的な結果を招来した。外国政府が白軍の側に立って介入したことは共産党の支配を弱めるどころか強化する役割を果たした。あらゆる人々の運命を不可逆的に変えてしまった。そして、全過程を通じて、男性の支配する政治から最悪の被害をこうむったのは女性と子供たちだった。

【目次】
第2部 一九一八年
 第20章 同盟国軍の撤退──一九一八年秋~冬
 第21章 バルト海地域と北部ロシア──一九一八年秋~冬
第3部 一九一九年
 第22章 致命的妥協──一九一九年一月~三月
 第23章 シベリア──一九一九年一月~五月
 第24章 ドン地方とウクライナ──一九一九年四月~六月
 第25章 ムルマンスクとアルハンゲリスク──一九一九年春と夏
 第26章 シベリア──一九一九年六月~九月
 第27章 バルト海沿岸の夏──一九一九年五月~八月
 第28章 モスクワを目指しての進撃──一九一九年七月~一〇月
 第29章 バルト海沿岸地域の予想外の展開──一九一九年秋
 第30章 シベリア戦線の後退──一九一九年九月~一二月
 第31章 転換点──一九一九年九月~一一月
 第32章 南部戦線の後退──一九一九年一一月~一二月
第4部 一九二〇年
 第33章 シベリア、氷上の攻防──一九一九年一二月~一九二〇年二月
 第34章 オデッサ陥落──一九二〇年一月
 第35章 白軍騎兵部隊の最後の喊声──一九二〇年一月~三月
 第36章 ウランゲリ提督が白軍の指揮権を掌握し、ポーランド軍がキエフを占領する──一九二〇年春と夏
 第37章 西にポーランド軍、南にウランゲリ軍──一九二〇年六月~九月
 第38章 ヴィスワ川の奇跡──一九二〇年八月~九月
 第39章 地獄のリヴィエラ──一九二〇年九月~一二月
 第40章 希望の消滅──一九二〇年~一九二一年
 結語──悪魔の弟子
 謝辞/訳者あとがき
 原注/参考文献/略号/用語集/図版一覧/地図一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

メロン

7
地獄のロシア内戦1000万人近くが犠牲となり、その多くを民間人が占める。この後にスターリンの大粛清、独ソ戦があることを考えると恐ろしすぎる世界。本書においてよくこの戦争がわかる一節があったので、長いが引用する。 「この白軍士官は、ある村に入った時に、ひとりの農民にどの軍に味方するかを質問したことがあった「誰の味方もしない」という答えが返ってきた。「白軍は略奪する。赤軍も略奪する。マフノ軍も略奪する。こんな連中の誰に味方できると言うのだ?」。2025/07/29

Kazuya Nakagawa

5
こうして地獄の内戦が終わり、スターリンが権力を握り、大粛清が始まり、やがて独ソ戦が勃発する。2025/12/05

Go Extreme

2
https://claude.ai/public/artifacts/c29486cb-89bc-492a-b7d7-7a66edcb48042025/07/08

Stepp

1
結局のところロシア革命とは何だったのか?それが知りたくて本書を手に取り、圧倒的に詳細な記述によって知的好奇心を大いに満たされた。ただ、ロシア革命という現象を以前よりも多層的に捉えることができるようになった反面、私の場合は逆にレイヤーが増えすぎたことによって消化不良を起こしてしまったことは素直に認めたい。WW1前後の歴史や政治状況、社会主義の各派閥の思想など補強しなければならない知識が沢山あることを思い知らされた本でもあった。とはいえ、とても読みやすく、「なんとなく知ってるつもり」の克服にとてもお薦めです。2025/07/16

あらい/にったのひと

1
ロシアの内戦、本格化から終結まで。上巻より状況が悪化というか、内戦が進んでいるのでとにかくひたすら報復の嵐。まともな人間がほとんどおらず、海外からの派遣軍もごく普通に現地通貨の暴落を機会に利益を得ようとしていたりする。日本を含めた極東への派兵は影響あるけど枝葉の部分という扱いです。白軍に限らず、赤軍側からのまともな交渉みたいなものがほとんどないのも特徴で、破る前提の約束でしかない。ボリシェヴィキによる世論の極端な分極化(p345)が招き進めた悲惨な事態であり、現代にも繋がる話でありました。2025/06/15

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