内容説明
没落商家の娘・花菫(かきん)は家のため後宮に入った。
だが秘密を隠し息を潜めるように生きてきた彼女は、気弱さを侮られて周囲に見下されるばかり。
夜伽の声もかからず、侍女の碧玉(へきぎょく)の明るさだけが救いだ。
そんな折、皇帝が崩御し後宮全員に殉死が命じられる。
必死に逃れるが、花菫たちは四凶殿(しきょうでん)――危険な試練を越えねば脱出できない地下迷宮に追い込まれてしまう。
碧玉のため、花菫は隠してきた忌むべき力を使うと決める。
それは死を予知する「死相見」の力で――。
非力な妃が、誰より強く美しく花開く。
後宮死亡遊戯、開幕。
==登場人物==
花菫(かきん)
庶民の出の下級妃。
死相が出た父を救えなかった過去があり、他人の顔を見ることを避けて生きてきた。
広治帝(こうちてい)
人形のように美しく、感情が読み取れない。
病弱ともっぱらの噂。
皇太后と親子関係にあるが、実子ではない。
如意(にょい)
後宮内で働く謎の官女子。
絶世の美しさを誇り、まなざしは理知的。
花菫の力に気づき、協力をもちかけてくる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
栗山いなり
6
後宮に入った没落商家の娘・花菫が地下迷宮からの脱出に挑む中華ファンタジー小説。中華後宮×デスゲームというある意味アジアテイスト全開の作品だったけど中々に興味深く読めた。とある真相は予想しやすかったけどある人物の死はいたたまれなかった2025/12/21
冬野
6
初読み作者さん。人の死期を視る花菫が、命懸けの遊戯が仕掛けられた地下迷宮からの脱出を目指す。後宮もの×デスゲームなんて面白そう!と思ったら予想以上に面白くて大満足。装画は綺麗めだけど内容はなかなかハードかつダークで(デスゲームだから当然だが)、ホラー好きの自分には嬉しい展開続きだった。渾敦や饕餮などの四凶の恐ろしさの描写も好き。一人しか生き残れない状況になった時の花菫の覚悟に胸を打たれた。ページ数の何倍も濃い内容でした。用語がたくさん出てくるので、後宮ものを数冊以上読んだことのある人向けかな。星:5/52025/10/03
ヤナギ
1
中華後宮にデスゲームを掛けるのは目新しいなと思った。 児童書をメインに書かれてる作家さんのようだけど、デスゲームのシリーズものも書かれてるからうまく掛け合わせられていたのかも。面白かった。 花菫ちゃんかわいい。 碧玉が裏切ったら嫌だなーと思っていたら…。 地下迷宮の試練にファンタジー要素入るのかと思ったけど、花菫ちゃんの死相見の力がそもそもファンタジーでしたね。全然アリ。 続きが出るといいなー。2025/09/20
早帆ママ
0
碧玉の件、哀しく残念過ぎる…。2025/09/25
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