内容説明
東京はポエムでできている。
空と緑の都市に咲くあだ花か、アーバンライフの幻想か。
マンション広告のコピーに託された〈東京〉の正体を読む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
亜希
27
東京、タワマン、マンション広告などが好きで、できれば東京の地理に詳しい人にお勧めの一冊。かくいう私は「やたら「響き合い」がちで「奏で」がち」、「立地を誇る勢いが余って電車暮らしに」などの表現に失笑しながら、最後まで飽きることなく楽しめた。ただ上下2段組み・344頁というボリュームには読むのをためらう人も多そうで、個人的にももう少しコンパクトなほうが良かったかも。でも路線図で「どこまで東京?」と聞くアンケートはとても興味深かった。基本誇大広告だけれど、森下を「日本橋の奥座敷」と言うのは、流石にやり過ぎで草。2026/05/10
kan
25
邸を「いえ」と読み、刻を「とき」と読み、瞬感という造語まで「とき」と読ませ、都会の利便性と自然が調和しがち。街を掌中にする「世界征服系ポエム」。著者の愛あるツッコミがいちいち的確で笑ってしまう。マンションポエムと名付けた宣伝コピーを揶揄するのではなく、そこから読み取れる都市イメージと顧客の願望や、時代に伴う広告コピーの変遷の分析など、まじめな都市論として、さらには広告表現の言語学として非常に興味深い。特に「どこまで東京」アンケートは、路線や回答者の属性といった複数のファクターを整理すると論文になりそう。2026/01/24
ま
24
マンションの広告コピーをひたすら収集して見えてくるものは342頁にも及ぶ。これは一大ジャンルと言ってもいいだろう。著者はマンションポエムを揶揄する意図はないと繰り返すが、どう見ても…だがそれがよい。都心、緑、邸宅、享受…住宅にまつわるあらゆるものが切り売りされた結果、立地を言葉で着飾るさまはまさに資本主義の行きつく先という感じだ。100頁くらいでおなか一杯になった。2026/06/20
たまご
19
「いえ」を「邸」,そこに住むのではなく「澄む」「清む」「住まう」と書き,都会の利便性と自然両者を「手中に」しがちなタワーマンション広告の惹句.これをマンションポエムとして取り上げ,ここから見えてくる都市論をこの厚みある一冊に展開しています.力技かと思いきや,大手ディベロッパーが費用をかけて広告するだけあって,アカデミックに耐えうるものなのにびっくり.筆者のあたたかいツッコミに電車内でにやつきが止まりませんでした.鴨長明「方丈記」が出てくるあたり,著者のポエム性も負けてない?うたかた=バブルのオチも最高.2026/05/12
読書一郎
19
超傑作です。分譲マンションの広告にある、ちょっと大げさなコピー。「ときめきをシェアする摩天楼」「人生に、南麻布という贈り物」…著者はこれを「マンションポエム」と名づけ、20年以上に渡って収集。二段組340ページの大著に結実させました。その情熱がただごとではありません。マンションポエムには私たちの都市や住居に対する考え方や欲望が表象されている…シャープで意外性に富む分析もすばらしいのですが、次々に紹介されるマンションポエムがとにかくすごい。電車で読んでいて何度も笑ってしまったので、外で読むのは要注意です。2025/08/10
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