内容説明
新幹線、車、飛行機、ローラースケート、台車、たらい船、象、そして自分の足――多彩な移動手段を使った先に立ち現れるさまざまな風景。教習所の教官とのやり取りには笑いがこぼれ、自転車と紡いだ学生時代の思い出には切なさがあふれる。短歌から小説まで、言葉と心を通わせてきた書き手が贈る、一歩ふみ出すエッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
59
【どうせ止まったり、ゆっくりしか歩けなくなる日が来るのであれば、今は思う存分早歩きをしたい。わたしには早歩きが似合うし】小説、エッセイ、短歌、絵本とマルチに活躍する作家の最新エッセイ。<のったりのったりと歩いた/すっかりふざけたつもりが「いいね」と即採用になったので「いいんだ」と小さい声で言った。あまりにもわざとらしい遅さだったはずなのに、オンエアを見てみたらのんびりと丁寧に歩いているように見えてすっかりちょうどいい速度だった。わたしにとってふざけているとしか思えない速さが、客観的にみると適切らしい>と。2025/12/27
いとう・しんご
14
毎週土曜日のラジオを聴いているせいで、とても身近な存在に感じられるれいんさん。いつもながらふくれっ面が可愛い!なんて言いながら数頁ごとにクスッとする楽しい読書でした。しかし、実は彼女の文章はとてもしっかり推敲、彫琢されている上、様々な視点や比喩の妙味もたっぷりで実は非常に贅沢な出来上がりなので、単にキャッワイイ~だけじゃない、彼女の魅力もご堪能頂きたいと思います。そうそう、表紙のサボテンや裏表紙のモグラ、本文中のイラストもお見逃しなく。2025/12/02
Gaooo
8
くどうれいんさんのエッセイには彼女しか出せない文体や空気感が確立されているような気がする。親しみやすいが、似たものを探してもあるようでない。今回もたっぷりとれいんワールドを堪能した2025/11/29
ebi kan
8
札幌や東京、京都、佐渡島など色んな所に出向いてその時間を思う存分楽しむ姿は微笑ましい。電車や車、バス、飛行機などの移動手段にまつわる思い出も興味深い。旅でも仕事でも近くても遠くても自分が行ったことがない場所に行くことは、自分のことを知れたり色んな人と出会い楽しい思い出が出来て、人生をより豊かに出来る体験だなと思えました。表紙の可愛らしいサボテンがエピソードに出てくるくどうさんの姿だと知ってほっこり。2025/12/07
ゆり
5
図書館本。乗り物や移動スピードの話が多め。くどうれいんさんのエッセイは食べ物の話が好みなので、今作はあまり刺さらず2025/12/19




