水は動かず芹の中

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水は動かず芹の中

  • 著者名:中島京子【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 新潮社(2025/10発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103513520

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内容説明

長いスランプに陥った小説家はやけっぱちになり、唐津を旅することに。陶芸体験をした窯元の夫婦から、水神にまつわる不思議な伝承を聞く。今でいう「難民」であったという流浪の水神は、戦国時代、いかにして秀吉の朝鮮出兵を止めようとしたのか……。『かたづの!』の著者が、かつてないスケールで歴史と現代を深く結びつける長篇小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

旅するランナー

182
言い伝えによれば。河童難民説から水神夜話へ。唐津の窯元夫婦が語る、猿と虎が仕掛ける唐国への戦、震え涙する銀非の器、魚屋の倅小西行長の大法螺…水神たち目線で秀吉による朝鮮出兵を描く斬新さ。関西人としては太閤さんがどうしようもない暴君に描かれるのが辛いですけど、史実だとしたらどうしようもない。2025/11/16

starbro

172
中島 京子は、新作中心に読んでいる作家です。本書は、著者の新境地でしょうか、唐津水神伝承歴史ファンタジーでした。私は、唐津に行ったことがありますが、大きな蜘蛛が沢山いたイメージが強いです🕷️🕷️🕷️ https://www.shinchosha.co.jp/book/351352/2025/12/04

hiace9000

142
読後、わたしの心が漂っているのは、サワタローさんとナミエさんの居所にあった涼やかな座敷だろうか、それとも茶人と座する静謐なる京の茶室だろうか…。奇想天外でありながらも、緻密に編まれた幻想譚にも思える歴史物語は、静かな余韻を残し続けている。戦に象徴される人のエゴが為す業、『水神夜話』が語り継ぐ水神らの悲哀と受難、古茶碗の見つめてきた長い歴史には、遠い昔の物語で終わらぬ、現代にも通ずる普遍的テーマが横たわっている。茶碗、鈴、水、芹…作中に登場する自ら物かたることなき物たちの存在感が、ずっと心の中で揺れている。2026/01/07

ちょろこ

123
水神(河童)に学んだ、秀吉の朝鮮出兵の一冊。その昔、流浪の民であった水神(河童)たちは豊臣秀吉の朝鮮出兵を止めようとしたらしい…。伝承形式のファンタジックな戦国時代の物語は不思議テイストはもちろん、小さな笑いもあって、歴史に疎い自分には楽しく学べた時間だった。朝鮮出兵戦に燃えていたのは馬鹿な猿、秀吉だけか。利休、東海道の狸、一軍武将たちと話し合う水神たちの努力が良かったな。意味のない戦、それはいつの世にも通ずる。そしていつだって血と涙を被るのは弱き民や動物や自然界。そんなメッセージもひしひしと伝わる作品。2025/12/21

たま

88
『かたづの』を思わせるファンタジー歴史小説?楽しく読んだ。小説家が唐津に旅し陶芸家と出会う、随筆のような枠組みの中で、水神の視点から秀吉の朝鮮侵略が語られる。飯嶋和一さんが『星夜航行』で詳述した、朝鮮侵略の無謀と無惨、秀吉を諫められず嘘に嘘を重ねる小西行長らの外交の失敗と、水神の醸し出すとぼけた味わいが対照的で心を掴まれる。ちょうど高市首相の〈台湾有事-存立危機事態〉発言がメディアを賑わせており、四百年前の話と切り捨てることのできない、切実な問題であることをひしひしと感じながら読んだ。2025/12/05

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