内容説明
イラン西部にあるササン朝ペルシア時代(三~七世紀)の遺跡、ターク・イ・ブスターン洞。王の楽園泉地の浮彫に表されたモチーフを図像学、比較文明論の視点から考究して、地獄・極楽のイメージを探る。解説:入澤崇
目次
Ⅰ はじめに
Ⅱ イラン風土の地獄と極楽
Ⅲ ターク・イ・ブスターン洞
Ⅳ 薬猟とは何かⅤ 朝鮮半島の狩猟
Ⅵ 東アジアにおける狩猟文の造形
Ⅶ 鹿と不老長寿の観念
Ⅷ 北ユーラシアの鹿と無量寿
Ⅸ 蹲る鹿の造形
Ⅹ 泉と洞窟の意味
阿弥陀浄土の発生
ターク・イ・ブスターン洞の神々
ⅩⅢ ターク・イ・ブスターン洞と西方浄土
ⅩⅣ おわりに
附論一 薬猟考
附論二 パルティア王宝冠考
文献改題
あとがき
仏教とイラン文化(入澤崇)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
40
西方浄土とも言うから、日本から見ればインドあたりに想定できそうだが、仏教発祥の地がインドなら、さらに西方、イランからオリエント、ギリシャまでも想定する必要がある? 本書では極楽の「イメージ」をイランの遺跡に求め、ゾロアスター教や、あるいはグノーシス派の影響までも論じる。思想はインド発祥でも、具体的イメージはシルクロードを通じて形成されたと思しい。文献的には状況証拠しかなさそうだが、宗教図像学として比較対照すれば成程と。極楽に池がある理由は、オアシスの水のイメージが反映しているのか。論の進展が望まれる。2026/01/23
tokumei17794691
2
極楽浄土の起源を探る、との本だが、素人にはほとんど歯が立たなかった。辛うじてついていけたのは、玄奘三蔵の『大唐西域記』やマルコ・ポーロの『東方見聞録』を引用しての砂漠の旅や、著者による遺跡調査生活の記述がある冒頭の52項までと、「おわりに」の章ぐらいだ。最も印象に残ったのが、切ったスイカを15分ほど日陰に放置しておくと、気化熱で「歯に沁みるような冷たさになり、冷蔵庫から出したて」のようになったとのくだり。ターク・イ・ブスターク洞の全体像やイランの砂漠のカラー写真が多数掲載されれば、本文理解に資したのでは?2025/12/18
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