創元推理文庫<br> 小路の奥の死

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創元推理文庫
小路の奥の死

  • ISBN:9784488170059

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内容説明

ロンドンのマナーパーク校の同窓会で、下院議員が殺害された。彼の友人たちは女優や人気バンドのリードシンガーなど個性的な有名人ばかり。だが、現場に到着した刑事ハービンダー・カーは、部下のキャシーも友人のひとりだったと知る。下院議員の死因はインスリン中毒で、糖尿病患者であるキャシーは注射器を持ち歩いていた。捜査が始まると、被害者は「血を流す心臓(ブリーディング・ハート)」と書かれた手紙を何通も受け取っており、21年前に起きたある生徒の死亡事故の目撃者だったと判明する──。巧みな伏線の妙を味わえる『見知らぬ人』の著者の傑作謎解き長編。/解説=若林踏

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

473
おそらくシリーズ化を意識していなかったであろう一作目が微妙、二作目で「お!」となり、期待して新作を読んだところ…人間関係や過去の秘密の匂わせ方は上手で読ませる。しかし真相があまりにもしょうもないオチで、ていうかキャシーさん結果オーライだっただけですけどそれでいいの?というモヤモヤが残り、過去の電波な行動の数々にも説明つかないまま終わってしまうので、消化不良感強め。思わせぶりな言葉が書かれた脅迫状も結果的には必要ないくだりだった。カーの私生活の変化もあってもなくてもいいギミックレベル。次に期待。2025/12/12

M H

24
ハービンダー・カー3作目。同窓会で下院議員が殺害される。同窓会が開催されたマナーパーク校にはほかにも女優、ミュージシャン、下院議員、カーの部下キャシーらがいて、彼らが仲良しグループだった学生時代が物語の中核。その時期にもあることが発生していたが、グループの人間関係と語り手の蹉跌、劣等感が滲む内面が繊細で読み応えがあった。犯人は意外というよりどうでもいい感じ。知らんがな。カーも地味ながら良キャラで楽しめた。2025/12/07

だるま

16
ロンドンの高校の同窓会で下院議員が殺される。捜査をするのが警視庁犯罪捜査課の女性警部ハービンダー・カーで、同性愛者という設定。同窓会の出席者は女優やシンガーなど有名人ばかりだった。捜査を進めると、被害者は21年前に起きたある生徒の死亡事故の目撃者だったと分かり、それが今回の事件と関連している様なのだが・・・。ハービンダーと別の2人の視点で現在と過去の事件が交互に描かれていて、読み易いとは言えず、伏線の忍ばせ方もあまり感心出来なかった。帯に「意外な犯人に、驚愕」とあるのもなあ。怪しい人物は無関係って事だし。2025/12/07

本の蟲

13
『見知らぬ人』『窓辺の愛書家』に続く〈刑事ハービンダー・カー〉シリーズ3作目。ロンドン警視庁に籍を移したハービンダー。馴染む間もなく、著名人を多く輩出している高校の同窓会で議員が殺害される事件が起こる。参加者には新しく部下になった女性警官の姿もあり…。スクールカースト上位のグループと高校時代にあった過去の事件の因縁。ハービンダーだけでなく、複数視点から事件を追う構成は変わらないが、英国文学の薀蓄や引用が面白かった過去2作に比べると少々落ちる2025/11/21

アプネア

11
前二作を読んでるが、シリーズものと言われても正直ピンとこない。というのも、これまで主人公の警部は群像劇の一視点(外部の捜査官)でしかなく。それも話の中心にはいなかったはず。今回からやっと中心で(一視点ではあるが)、警察小説の体をなしたかなという感じ。過去の事件の因果と、同窓会の出席者の間に渦巻く秘密や人間ドラマが絡み合い、真相に迫る展開は良かった。ただ、意外な犯人は、今回もなんとなく分かった(笑)。まあ、出てきた所から執着が垣間見え、こいつだろうなと当たりはついた⋯。2025/12/18

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