内容説明
“廃墟テーマパーク”にそびえる「兇人邸」。3月の深夜、班目機関の研究資料を探すグループとともに、その奇怪な屋敷に侵入した葉村譲と剣崎比留子を待ち構えていたのは、無慈悲な首斬り殺人鬼だった。逃げ惑う狂乱の一夜が明け、同行者が次々と首のない死体となって発見されるなか、比留子が行方不明に。惨劇を眼前にしても、思惑を抱えた生存者たちは、この迷路のような屋敷から脱出する道を選べずにいた。さらに別の殺人者がいる可能性が浮上し……。葉村は比留子を見つけ出し、ともに謎を解いて生き延びることができるのか?! 『屍人荘の殺人』の衝撃を凌駕するシリーズ第3弾。/特別対談=綾辻行人×今村昌弘
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
星野流人
28
剣崎比留子さんシリーズ第3作。今回も斑目機関の研究により生み出された超常的存在を絡めたミステリでした。舞台となる兇人邸がとにかく複雑な造りをしていて、いくら館物とはいえこんなに何度も見取り図を見返したのはさすがに初めてですよ……。事件のトリックは納得できるものでしたが、個人的には兇人邸や巨人自体がトリッキーな存在すぎて、ミステリのための設定感が強くなってしまったかなと。今回に関しては謎解きより、剛力さんをはじめとした人間ドラマ的な面白さのほうが強かった気がします。オチがびっくりするくらい伝わりませんでした2025/10/30
よっち
25
魔眼の匣の殺人から数ヶ月。神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子が、突然の依頼で班目機関の研究成果が隠されているという廃墟テーマパークにある「兇人邸」に連れて行かれる第3弾。依頼主とその護衛たちとともに兇人邸に潜入した二人を待ち受ける異形の無慈悲な首斬り殺人鬼。逃げるに逃げられない状況で比留子も閉じ込められ、次々と起きる殺戮に疑心暗鬼になっていく面々。それぞれが目的のために駆け引きを繰り広げる中で、お互いを助けるために動く葉村と比留子の姿が印象的で、犯人の抱えていた秘密とその決意がまた切なかったです。2025/10/10
オヤニラミ
17
シリーズ第3弾!!今作は廃墟テーマパーク内の不可思議な屋敷「兇人邸」班目機関の研究資料を探すグループと共に葉村譲と剣崎比留子は生きて帰られないと言われるその内部へ。複雑な造りのその館は見取り図付きですが読み進むのに大変な物語。そして今回も捻りを加えたクローズド・サークルが展開され現れた殺人鬼から逃れる中で同行するメンバー内にも殺人犯が…!身動きの取れない比留子の謎解きに生き残りをかけた緊迫のメンバー達の脱出劇は上手く行き過ぎな所もあるが、殺人鬼が生まれた真相も明らかになり恐怖と哀愁の入り混じる物語でした。2025/11/13
nami1022
14
約3週間振りに小説を読んだけど、やっぱ小説は面白い。あらすじを読む限り「殺人鬼」が出てくるだけでホラー要素なしのクローズドサークルミステリかと思いましたが、その殺人鬼がまさかまさか。想像を超えてきます。それにしても兇人邸が迷路すぎてマップを見ながら読んでも混乱する。2025/10/26
numno1
14
邸の構造が複雑で、かなり難解でした。皆様の感想を読む限り、紙の本だと見取り図が別紙でついてたようだけど、電子だとそれもままならず・・ 「出ようと思えば物理的にはいつでも出られるけど、諸般の事情から出られない」邸宅に閉じ込められるクローズドサークルものでした。やろうと思えば出れたり連絡取れたりするクローズドサークルは、最近たまに見かけるようになった気がします。それも含め、色々凝った仕掛け満載の作品でした。2025/10/17




