講談社選書メチエ<br> 滅亡するかもしれない人類のための倫理学 長期主義・トランスヒューマン・宇宙進出

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講談社選書メチエ
滅亡するかもしれない人類のための倫理学 長期主義・トランスヒューマン・宇宙進出

  • 著者名:稲葉振一郎【著】
  • 価格 ¥2,035(本体¥1,850)
  • 講談社(2025/09発売)
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  • ISBN:9784065411285

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内容説明

核戦争、環境破壊、パンデミック、超AI……人類滅亡の可能性はきわめて高い。
しかしそれを切り抜けたならば、人類は宇宙を征服するだろう、と言われる。
そのとき「人類」は果たして「ヒト」だろうか? 
そして存続を目指すべき「人類」の範疇とは?
超未来を想定すると、問うべき倫理と答えは変わる。
イーロン・マスクやテック企業家たちを熱狂させ、先端技術の基底思想になりつつある「長期主義」を軸に、ポストヒューマニズムの最前線を追う。

[本書の内容]
はじめに
1 『風の谷のナウシカ』と考える超未来
2 長期主義とは何か? 
第一章 最大多数の最大幸福
1 長期主義はどこからやってきたのか?:ピーター・シンガーと功利主義の革新
2 未来のための行いが未来のためになるとは限らない:デレク・パーフィットと世代間倫理
第二章 人類が滅びる可能性
1 ニック・ボストロムと存亡リスク
2 カタストロフ保険はありうるか? 
3 ポストヒューマン時代
第三章 未来への対立軸
1 道徳哲学における長期主義
2 加速主義とテクノ・リバタリアン
3 これは新しい優生学か?
第四章 動物たちの未来と反出生主義
1 奴隷的存在は生まれてこない方がよかったのか?
2 動物・AI・人造人間の尊厳
第五章 倫理は常識に合致するか?
1 功利主義と不平等
2 「いとわしい結論」
3 未来のために現在を犠牲にするべきか?
第六章 あなたが存在する世界と非同一性問題
1 枝分かれする世界線
2 道徳か、人生の意味か?
3 不死は悪か? 
第七章 シングルトンの困難
1 ノーマル・アクシデント
2 宇宙へのエクソダス?
第八章 宇宙には他に誰かいるのか?
1 フェルミ・パラドックス
2 この世界はシミュレーションか?
第九章 本当に人類は宇宙に出ていいのか?
1 引きこもり文明
2 暗黒森林理論
第十章 それでも宇宙を目指す意味
1 星間文明
補論 星間スーパーコンピューター
2 分岐する人類
おわりに 現在と未来
1 まとめ
2 『風の谷のナウシカ』と考える現在
3 終末なき終末論


あとがき

目次

はじめに
1 『風の谷のナウシカ』と考える超未来
2 長期主義とは何か?
第一章 最大多数の最大幸福
1 長期主義はどこからやってきたのか?:ピーター・シンガーと功利主義の革新
2 未来のための行いが未来のためになるとは限らない:デレク・パーフィットと世代間倫理
第二章 人類が滅びる可能性
1 ニック・ボストロムと存亡リスク
2 カタストロフ保険はありうるか?
3 ポストヒューマン時代
第三章 未来への対立軸
1 道徳哲学における長期主義
2 加速主義とテクノ・リバタリアン
3 これは新しい優生学か?
第四章 動物たちの未来と反出生主義
1 奴隷的存在は生まれてこない方がよかったのか?
2 動物・AI・人造人間の尊厳
第五章 倫理は常識に合致するか?
1 功利主義と不平等
2 「いとわしい結論」
3 未来のために現在を犠牲にするべきか?
第六章 あなたが存在する世界と非同一性問題
1 枝分かれする世界線
2 道徳か、人生の意味か?
3 不死は悪か?
第七章 シングルトンの困難
1 ノーマル・アクシデント
2 宇宙へのエクソダス?
第八章 宇宙には他に誰かいるのか?
1 フェルミ・パラドックス
2 この世界はシミュレーションか?
第九章 本当に人類は宇宙に出ていいのか?
1 引きこもり文明
2 暗黒森林理論
第十章 それでも宇宙を目指す意味
1 星間文明
補論 星間スーパーコンピューター
2 分岐する人類
おわりに 現在と未来
1 まとめ
2 『風の谷のナウシカ』と考える現在
3 終末なき終末論

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

sayan

23
小説「三体」が描いた暗黒森林理論「宇宙では他者を信頼できない。見つかれば滅ぶ」という冷酷な仮説。本書はこの理論を引用し人類の倫理と理性に潜む構造的な恐怖として読み直す。功利主義は幸福最大化過程で他者を計算可能なデータに還元する。長期主義は滅亡の回避を目指し未来幸福を優先するが、それは「一人ひとりの幸福が極めて低くても、多数が生きていれば良い」という厭わしい結論だ。他者は幸福の数値へ互いに排除すべきリスクだ。合理性だけで延命を図る文明になりつつある。その合理の果てになお「人類」と呼べる倫理的存在は残るのか。2025/10/22

H2A

11
長期主義というよりメタ倫理学を梃子にして、視野を未来に拡げた展望してみるような内容。後半はどこかで読んだような既視感があって意外に退屈だが(著書の意外に醒めた姿勢もあってなのかな)、長期主義や加速主義のルーツを作者なりに辿った序盤の方が勉強になったように思う。2025/12/08

九曜紋

7
世界最終戦争は「ハルマゲドン」という新約聖書に記された「ヨハネの黙示録」により、欧米人には比較的馴染み深いものだが、日本人にとっては必ずしもそうではない。著者は「風の谷のナウシカ」を端緒にして終末論に関する思考を深めていく。国家間の破滅的な世界戦争や地球規模での気候変動等、差し迫った現実的な危機だけではなく、極度に進化したAI、地球外生命体との争いまでも視野に入れ、危機の具体的可能性を探る。著者の視点は専門である倫理学、哲学に留まらず、生物学、天文学等、科学全般をも射程に入れる大胆かつ刺激的な論考である。2025/09/25

sk

4
未来倫理学入門2025/10/30

鱈等

2
8,9章の宇宙の話が面白かった。暗黒森林理論によれば、高度な宇宙文明が複数同時に存在したとしても、それぞれは互いの存在を検知されないよう隠れる。なぜならファーストコンタクトでまともなコミュニケーシが取れない以上抑止戦略は無効、先制攻撃が最適解となり、それよりは相手に見つからないよう隠れている方が合理的だから。確かに…。宇宙人会ってみたかったのに、残念。 あと反出生主義について、主題的な考察は少なかったが、功利主義的観点から未来の不幸の総量を減らすことを考えるならこの選択肢は結構アリなのではないかと思った。2025/09/23

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