出版社内容情報
歌人永田和宏と河野裕子。限りある命と向き合い、生と死を見つめながら歌を詠んだ日々――深い絆で結ばれた夫婦の愛と苦悩の物語。
その時、夫は妻を抱きしめるしかなかった――歌人永田和宏の妻であり、戦後を代表する女流歌人・河野裕子が、突然、乳がんの宣告を受けた。闘病生活を家族で支え合い、拐復に向いつつも、妻は過剰な服薬のため精神的にも不安定になってゆく。凄絶な日々に懊悩し葛藤する夫。そして、がんの再発……。発病から最期の日まで、限りある命と向き合いながら歌を詠み続けた夫婦の愛の物語。
内容説明
その時、夫は妻を抱きしめるしかなかった―歌人永田和宏の妻であり、戦後を代表する女流歌人・河野裕子が、突然、乳がんの宣告を受けた。闘病生活を家族で支え合い、恢復に向いつつも、妻は過剰な服薬のため精神的に不安定になってゆく。凄絶な日々に懊悩し葛藤する夫。そして、がんの再発…。発病から最期の日まで、限りある命と向き合いながら歌を詠み続けた夫婦の愛の物語。第29回講談社エッセイ賞受賞。
目次
私はここよ吊り橋ぢやない
ああ寒いわたしの左側に居てほしい
茶を飲ませ別れ来しことわれを救える
助手席にいるのはいつも君だった
夫ならば庇つて欲しかつた医学書閉ぢて
私は妻だつたのよ触れられもせず
あの時の壊れたわたしを抱きしめて
東京に娘が生きてゐることの
いよいよ来ましたかと
一日が過ぎれば一日減つてゆく
歌は遺り歌に私は泣くだらう
つひにはあなたひとりを数ふ
著者等紹介
永田和宏[ナガタカズヒロ]
1947(昭和22)年滋賀県生れ。歌人・細胞生物学者。京都大学理学部物理学科卒業。京都大学再生医科学研究所教授などを経て、京都産業大学教授。読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞、迢空賞などを受賞。2009年、紫綬褒章受章。宮中歌会始詠進歌選者。朝日歌壇選者。「塔」短歌会主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chimako
s-kozy
たまきら
tu-bo@散歩カメラ修行中
水色系