内容説明
それでもこの本を開こうとするあなたへ。
お急ぎでない場合は、身辺の整理を済ませておくことを強くお勧めします。
正直なところ、どこまで読んだら「この本を読んだ」という判定になるのか判断しかねるのが心苦しいところです。
警告はしました。
かつてロシアには「読むと死ぬ本」が存在しました。
日本でも翻訳され、読者が本当に次々と亡くなっていったため、この世から消えた--はずでした。
今、私の目の前に現れた一冊の本。
この本を開いたときから、私の運命は狂い始めたのです。
【あらすじ】
ベストセラー作家を夢見ながらも売れない小説を書き続ける私。ロシアで「読むと死ぬ本」と呼ばれる本を書き、謎の生涯を送ったセージャ・ダビニフスのドキュメントを書き上げ、担当編集の氷上さんに手渡すと、「実は見つかったんですよ、本物が。彩藤さん、読みたくありませんか……?」と告げられた。本当に読むと死ぬというのだろうか。その呪いは本物なのだろうか。私は興味をひかれつつもその日は答えを出さずに帰宅した。そして、その日、あの人に死が訪れた--。現代によみがえった本が、私の生活を侵食していく。いやだ、死にたくない。だれか助けてください。
ひらけば最後、死が訪れる――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
のりすけ
85
思うてたんと違う…というより、これはホラーじゃない。辛口でごめんなさい。主人公も精神と行動がぐちゃぐちゃで感情移入できないし、怖くもない。「今までとは違ったアプローチでホラーを」という意志でもって書き始めたのかもだが、うまく纏まらず、私は何を読まされているのか?と言う気にすらなってしまった。セージャ・ダビニフスって生者(聖者?)荼毘に付すってこと?2025/10/06
いたろう
67
何とも衝撃的なタイトル。この本を読んだ人間は死ぬのか。ラストの「編者解説」(という名の、これも小説の一部)を読むと分かるが、この本は正しい。この本を読んだ人間は絶対死ぬ。いつかは。もっとも、読まなくても人は死ぬのだが。いつかは(笑)本書は、ロシアの文豪ダビニフスが記した謎の稀覯本「読むと死ぬ本」を巡るドキュメンタリー小説。まず、ダビニフスとこの本についての解説が詳しい。が、ダビニフスという作家自体が実は架空の人物、というフェイク・ドキュメンタリー。と分かっていても、真に迫っていて、ついつい後ろが気になる。2025/12/23
yukaring
64
没入感はあるが陰々滅々としたストーリーが昏く重いモキュメンタリーホラー。『読むと死ぬ本』と呼ばれる本を執筆したダビニフスの生涯をドキュメンタリーとして書き上げた売れない作家の“私”。そして担当編集者、その本を発見したという女子大生、本に関わる人々の生活が侵食されていく。「後ろに誰もいませんか?」「見知らぬ老婆に話かけられませんでしたか?」などの警告が臨場感を高め不穏さを演出、根源的な恐怖を煽る。黒い人影や謎の老婆、本を読んだ人々の死の連鎖、開けば最後もう逃げられない。死は誰にでも訪れるものなのだから…。2025/11/07
さちこ
58
葬式の場面で、生前に多くの人を笑わせた者ほど、最後は泣かれる、人生の答え合わせだとする描写が心に強く残った。呪われてもそうでなくても人は全員死ぬのだとわかった。2025/11/03
ピンポンダッシュ
58
『読むと腹が立つ本』です! 久しぶりに「金返せ!」と思った(怒)! 「えっ、これで終わり?」「まさか、ウソでしょ?」「ホラーじゃないじゃん!」 すぐに「ブックオフ」に売りました(怒)! 図書館で借りれば十分だった(怒)! 講談社の宣伝や帯にダマされた(怒)!2025/09/28




