内容説明
人気駅伝小説シリーズ最新刊、待望の文庫化!
己との闘いは、続いていく・・・・・・・。
箱根駅伝を終えた千早は食品会社に就職。その会社から東京五輪選手村食堂に派遣され、偶然コーチ早馬の初恋の人、都と仕事仲間に。
主将として初出場が叶った4年次の箱根駅伝では、最後の最後で「努力に裏切られた」千早。東京五輪選手村食堂では、裏方として世界のアスリートたちを支えるが、目の回る忙しさの中、自分の仕事への情熱が呼び起こされていく。駅伝では「努力に裏切られた」が、「裏切られた後の景色も悪くない。裏切られた俺は、今、頑張ってます」と言えるまでに成長していく。前半の「祈る者」は臨場感溢れ、読み手の心をつかんで話さないお仕事小説。
一方、眞家春馬はパリ五輪を視野に入れ世界陸上に参戦。兄・早馬との関係や、世界を相手に挑戦を続けるアスリートの心象風景が描かれる、後半の「選ぶ者」。春馬、そして高校時代、大学時代ともにライバル関係だった選手・助川、藤宮らはアスリートとして悩み、葛藤を繰り返しながらも競技生活を続けている。彼らの自分との闘いは、やがて、世界へ・・・・・・。
文庫の巻末解説は、箱根駅伝レジェンド、初代山の神・今井正人氏。
※この作品は過去に単行本版『タスキメシ 五輪』として配信されていた作品の文庫本版です。
(底本 2025年9月発売作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
127
今作は、東京オリンピックの選手村の食堂の奮闘ぶりの話と、オレゴン世界陸上のマラソンの話のニ作。ニ作ともリアルなのだ。とにかくリアルなのだ。選手村の食堂の忙しさは戦場さながら。臨場感をすごく感じる。オレゴン世界陸上では、選手のレースの選手のレース中の心理描写が秀逸。ケニアの選手ナイス!勘違い(笑)。これが国際大会だと思わせる。千早、都、春馬たちの頑張る姿は一生懸命で美しい。食は力。食べることで、楽しく、時には食べたものが思い出にもなる、そんな充実した生活を送りたいと思わせる物語だ。2025/09/26
よっち
24
箱根駅伝を終えた千早は食品会社に就職。会社から東京五輪選手村食堂に派遣され、偶然コーチ早馬の初恋の人・都と仕事仲間になる第3弾。裏方として世界のアスリートたちを支える五輪選手村食堂で目の回るような忙しさの中、自分の仕事への情熱が呼び起こされていく千早。パリ五輪を視野に入れ世界陸上に参戦する春馬と早馬の関係や、高校時代・大学時代ともにライバル関係だった選手・助川、藤宮たちも絡めながら描かれていて、五輪選手村食堂の様々なエピソード、それぞれが葛藤しながらも自らの戦いに向き合ってゆく展開はなかなか良かったです。2025/09/05
ツバサ
11
選手を支えるのはいつだって食事から。オリンピックの選手村の実情は切実で切迫している。選手が活躍出来るようにサポートするのは大切。あとコロナ禍でのオリンピックを行う意義については正解はないと思う。まさにタスキが繋がっていくようなシリーズで好きです。2025/09/08
雑食読書家#wZ5FP1
2
東京オリンピックはコロナのパンデミックで一年延期。選手のみならず、選手村を支えるスタッフにも影響が、中でも箱根で引退し、就職した仙波千早が食堂運営を任される。 他にも、実業団の休部やケガなどの苦悩。世界陸上への挑戦。 そこには「ちゃんと走れ!」 前へ進む力を見せてくれるか? 最後にニューイヤー駅伝のスタート前の映像が お正月だなぁ と目に浮かぶ2025/12/13
himanaka
1
やはり、後半の走る場面が好きかな。走っている時の選手の心理がよく描かれていて、走ってもいないのに走ったような気になれる。走るのが大嫌いなくせに、ね。2025/10/09




