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内容説明
中国の老獪、欧米の野心、日本の熱狂―息づまる日本史のドラマを明らかに。
日露戦争後の日米関係緊張から説き始め、最新研究を基に満州事変史を捉え直した注目作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
58
再読。著者が太平洋戦争→日中戦争→満州事変と遡る中で、昭和史の根源を改めて遡るメモとして書き始めたものとか。したがって読みやすいコンパクトな大正~昭和初期外交史となっている。特に大正期が「デモクラシー」で語られることが多い中、出先軍部の勝手な行動が始まっていたことや、ワシントン条約に縛られないロシアの動向など、他書で指摘の少ない内容が興味深かった。基本的に自身が一次史料に当たった研究書というよりは、様々な研究から抽出した内容であり、著者の視点での整理と言える。細かいところに疑問はあるが、フェアな1冊。2022/12/06
skunk_c
25
外交史を軸にした満州事変前夜史で、いわゆる幣原協調外交の特質と限界を軸に展開。重光葵を極めて高く評価している。また、著者の近著『戦前日本のポピュリズム』に発展していく、当時の覚醒しつつある大衆意識と、過度に煽る新聞の問題にも目配せされ、バランスの良い内容だった。ワシントンでの9ヶ国条約による協調体制を先に崩したのは、国民党贔屓のアメリカと、中国に大きな権益を持つイギリスで、日本は協調を守ることに固執しすぎたため失敗した面があるという指摘は新鮮。ただ、万宝山事件を除き朝鮮の話題がないのはどうなのだろう。2018/11/11
MUNEKAZ
14
満州事変に至るまでの動きを、主に外交面から紹介する。特に「ワシントン体制」と「幣原外交」についてが簡潔にまとめてあり、1920年代の国際協調の時代を概観するのにもちょうど良い。意外にも日本は列強の協調関係に最も意を砕いた国であり、中国の横車(もちろん条約改正という「大儀」があるのだが)と英米の翻意により、むしろ貧乏くじを引かされた感も。その中で国民の間に対中不信感が強まり、ついに暴発するという流れ。著者は、日本が自らの正統性を上手く対外的にアピールできなかった点を指摘する。これは現代にも通ずる部分である。2022/12/13
ケニオミ
13
太平洋戦争へ至る出発点としての満州事変。その満州事変が勃発した理由を考察したのが本書です。とても分かりやすく纏められています。そのため、敢えて僕から内容を言及する必要はないのですが、ただ理由の一つとして挙げられていた「大国の責任」での重光葵の次の言葉が強く印象に残りました。「日本は国家も国民も成金風の吹くにまかせて、気位のみ高くなって、内容実力はこれに伴わなかった。日本の地位は躍進したが、日本は、個人も国家も、謙譲なる態度と努力とによってのみ大成するものである、という極めて見易き道理を忘却してしまった」2015/11/07
masabi
9
【概要】満州事変に行き着くまでの外交、国際情勢の変化、中国ナショナリズムの勃興を解説する。【感想】国内外の研究成果にも目配りしつつ、日露戦争後から満州事変直前までが描かれる。国際的孤立を深める三十年代に対し国際協調の二十年代とされるが、本書では英米日の協調関係を守ることに腐心したために、かえって諸問題の対応に失敗したとの指摘がなされる。また、大衆意識の高揚とともに中国利権を損なう危惧・排日移民法に対する不満が国民に広く共有されたなど大衆・メディアとの関わりも紙面を割いている。2022/12/01




