内容説明
人間の葬儀が簡素化する一方で、ペットやスマホ、細菌までもが手厚く供養される現代社会。現役の僧侶でジャーナリストの著者が、全国津々浦々を取材し、「万物を弔う」日本人の不思議な供養の行方を探る。
目次
はじめに
第一章 奇妙なモノ供養
第二章 動物を供養する
第三章 魚を供養する
第四章 昆虫を供養する
第五章 草木の供養
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
72
【命あるすべてを弔う。日本人は不思議な葬送行動をとってきた民族】僧侶&ジャーナリストが各地の“珍供養”を取材し、日本人の不思議な「弔う姿」を見つめる書。巻末に参照資料。「はじめに」で、<『涅槃経』はこう説いている。「草木国土 悉皆成仏」。人間と動物だけではなく、草木や土壌ですら、みな悉く、仏になる要素を持ち合わせているという意味だ。だから、人間と同じように供養するのである。供養の対象物は、無限に広がっている。よく知られたところだと、人形供養や針供養、筆供養など「モノ」の供養が伝統的に続けられている>と。⇒2026/01/29
HANA
68
古来より日本人は様々な命を供養してきた。それが現在でも変わることなく社会のそこかしこに存在している事をレポートした一冊。というか供養の対象が時代が進むにつれて多様化しているような気がするなあ。牛馬や鯨は有名であるが、AIBOや車までその対象になっているのは驚き。さらには害虫として駆除された白蟻やバッタまで人間社会と関係したものは軒並み供養の対象となっている。ただ自分の中ではそれらを供養するという事が感覚としてすっと納得できる。キャッチーなタイトルとは裏腹に自然に対する姿勢や畏れを考え直させる一冊でした。2025/12/22
つちのこ
43
弔いのこころは「人間と対象物の意識的な関係性」が生じたときに供養の対象となりえるという。その範囲は生き物ばかりではなく、本書で紹介された人形やスマホ、AIBO、クルマや月といった無機物まで、およそ人が愛したものは枚挙にいとまがない。以前ニュースで見たが、どこかの国の女性がエッフェル塔と結婚したという。将来、弔いに結びつくのか分からないが、対象物への深い愛情や精神的なつながりは人それぞれだ。私が住む町にはうなぎ屋がたくさんあり、ある店先には鰻塚が建っている。殺生に対する贖罪や感謝の念をもつことも悪くない。2026/02/02
たまきら
38
アメリカ本社の人が行きたがると聞くKFCの「供養塔」、回向院をはじめ築地にある様々な魚たちの供養塔…あまりにも身近すぎてもはや(?変わってるかな?)です。昨日明神様でお守りを買ったアメリカ人友に「来年ここにお返しに来るか、塩で清めてゴミに出しなよ」と言ったら長々仕組みを説明する羽目になったので、やっぱりこの「穢れや祟りを祓う」という考え方ってニッポン的なのね…と。とはいえ、この本にはそんな自分でも驚きの供養塔が登場し、ただただ八百万の神を崇めるこの国のユニークさを満喫しました。2025/12/28
shikashika555
32
山川草木悉皆仏性。日本人は無宗教を自認する人が多い割に無自覚に身のうちに宿す宗教観がとても強固だと感じる。 「ナントカ供養」もそのひとつ。 ニュースで目にしてもなんら違和感を覚えずお決まりの風物詩として認識している。 そんなナントカ供養を集めた本書。 筆やら針やら人形やらは有名だが、スマホにAIBOに迷子郵便まで! 迷子郵便とはなんぞや。供養塔縁起によるとわが国の郵便物は年間110億通を超えるがこの中で受取人への配達も差出人に返送もできないものが180万余通あると。 その供養らしい。衝撃の事実!(笑)2025/11/09
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