内容説明
人間の葬儀が簡素化する一方で、ペットやスマホ、細菌までもが手厚く供養される現代社会。現役の僧侶でジャーナリストの著者が、全国津々浦々を取材し、「万物を弔う」日本人の不思議な供養の行方を探る。
目次
はじめに
第一章 奇妙なモノ供養
第二章 動物を供養する
第三章 魚を供養する
第四章 昆虫を供養する
第五章 草木の供養
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
35
アメリカ本社の人が行きたがると聞くKFCの「供養塔」、回向院をはじめ築地にある様々な魚たちの供養塔…あまりにも身近すぎてもはや(?変わってるかな?)です。昨日明神様でお守りを買ったアメリカ人友に「来年ここにお返しに来るか、塩で清めてゴミに出しなよ」と言ったら長々仕組みを説明する羽目になったので、やっぱりこの「穢れや祟りを祓う」という考え方ってニッポン的なのね…と。とはいえ、この本にはそんな自分でも驚きの供養塔が登場し、ただただ八百万の神を崇めるこの国のユニークさを満喫しました。2025/12/28
shikashika555
31
山川草木悉皆仏性。日本人は無宗教を自認する人が多い割に無自覚に身のうちに宿す宗教観がとても強固だと感じる。 「ナントカ供養」もそのひとつ。 ニュースで目にしてもなんら違和感を覚えずお決まりの風物詩として認識している。 そんなナントカ供養を集めた本書。 筆やら針やら人形やらは有名だが、スマホにAIBOに迷子郵便まで! 迷子郵便とはなんぞや。供養塔縁起によるとわが国の郵便物は年間110億通を超えるがこの中で受取人への配達も差出人に返送もできないものが180万余通あると。 その供養らしい。衝撃の事実!(笑)2025/11/09
あじ
21
珍重される生命、毛嫌いされる生命、果ては微生物にまで及ぶ、日本人の供養の精神とは。殺生に対する捉え方に感心しつつ、万物の尊さを改めて気付かされる。そしてモノ(物)に付加する並々ならぬ愛着の強さ。もしかすると今後は「推しグッズ」の総合供養にまで達するかもしれない。全国に点在する“史跡”をGoogleマップで探すのが趣味の私は、好奇心で読んだ。2025/07/09
hitotak
8
犬猫などの動物、殺虫剤メーカーの害虫供養、草木供養やマグロに鰻、命のあるなしに関わらない数々のモノ、AIBO犬や迷子郵便など、そんなものまで?と驚くような供養の数々が紹介されている。農林水産関係者の殺生に関する罪の意識、モノへの深い愛着と感謝の念が全てを供養の対象にしていくようだ。人形の供養は人の葬式以上の重い雰囲気というのも頷ける。逆に、直葬や家族葬など人の弔いが簡略化しているのは、長寿化により晩年を施設で暮らすことや核家族化により血縁・地縁の結び付きが薄れたことによると著者は説いている。2025/09/28
栗羊羹
4
人間の墓じまいが進んでいる中で、ホントいろんな供養があった。墓じまいをした墓石の供養とか、迷子郵便の供養塔、デジタルデバイスの供養、人形供養は人間の供養よりも重い雰囲気だそうだ。アイボの供養や、殺虫剤メーカーの虫供養。だいぶ前テレビで見たけど、「ブラ供養」というのがあった。サイズ、カラーバリエーションに富み、山積みになったブラは、滑稽で少し哀愁を感じた。2025/07/18
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