境界の考古学 - 対馬を掘ればアジアが見える

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境界の考古学 - 対馬を掘ればアジアが見える

  • 著者名:俵寛司【著】
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  • 風響社(2025/08発売)
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  • ISBN:9784894897397

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内容説明

かつて要塞の島として閉ざされた「辺境」対馬。豊かな遺跡からは境界なき時代のアジアの躍動が浮かび上がる。

本書のタイトル「境界の考古学」には「考古学の境界」という意味をも含ませている。本来の意味は、もちろん地理的「境界」に関するものである。対馬は、日本列島と朝鮮半島の「境界」であり、また広くは、ユーラシア・アジアの大陸世界と環太平洋の海域世界との「境界」である。ほかにも目的によって大小いくつもの地理的「境界」を設定できようが、ただし、必ずしもそれらは文化的内容を意味するものでもない──たとえば日本文化、朝鮮文化など──ことは注意しておく必要がある。
もう一つの意味は、「考古学」という学問の「境界」に関するものである。……歴史学としての考古学にしろ、人類学としての考古学にしろ、「科学的思考」にしたがって研究するという点はなんら変わらない。ただし、先にふれたように、近代的思考そのものが問われている現在、考古学もほかの人文社会科学と同じく、複数の学問領域の知見を借りることなどによって、その問いに答えていく必要性もあるのではないだろうか。(本文より抜粋)

【著者】
俵寛司
九州大学大学院比較社会文化研究科日本社会文化専攻博士後期課程修了。博士(比較社会文化)。
現在、東京外国語大学特定研究員(サイバー大学世界遺産学部客員講師)。
主な論著に、「近代としての「東洋」考古学」(『東南アジア考古学』26号、2006年)、「戦後対馬と日本考古学」(Quadrante 9、東京外国語大学海外事情研究所、2007年)、『対馬ヤマネコブック エコツーリズム特集』(共編、みつしま印刷、2004年)などがある。
(2014年現在)

目次

はじめに──対馬という「境界」

一 考古学の「境界」──戦後対馬と日本考古学
1 戦前の対馬と考古学
2 「日本の考古学」と東亜考古学会
3 東亜考古学会対馬調査とオリエンタリズム
4 九学会連合対馬調査と「日本考古学」
5 戦後対馬調査の残したもの

二 「境界」の考古学──対馬の先史・原史・古代
1 「対馬」の誕生
2 対馬の先史
3 対馬の原史・古代
4 原史・古代対馬の集落
5 原史・古代対馬の土器
6 原史・古代対馬の金属器文化
7 まとめ──「南北市糴」の新たな可能性

おわりに──「境界」の未来

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

RYU

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対馬出身の比較社会文化学者著。廃藩置県後の対馬は、欧米列強との国境防備のための要塞島となり、人と物の流れが厳しく制限された。1910年の日韓併合と1931年の満州事変の間に緩みはあったものの、終戦まで73年間に及ぶ要塞支配が続いていた。「境界」にある対馬を対象とした終戦前後の考古学調査を採り上げ、同調査においてはアジアに対する深刻なオリエンタリズム(by Edward Wadie Said)が潜んでいた、と説く。2018/01/12

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