内容説明
技術革新はなぜ時間欠乏を解消しないのか。近代社会のパラドクスに潜む加速の論理を解明した理論書の初邦訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Iwata Kentaro
8
衝動買いした。2022/08/04
ぷほは
6
技術・社会変動・生活テンポの加速が物理的限界・隔離的抑制・観念的批判・逆機能的停滞・戦略的弱毒化などによって、逆説的に資本主義の動的安定化を帰結する。ここからの道筋はブレーキを踏むかアクセルを踏むか何もしないか逆走を試みるかの4択なのだが、著者が最後にブルデューに則って述べる第5の選択肢は、社会学的ツールを使った運動法則そのものの克服である。まるで『マッドマックス怒りのデスロード』のような本だ。久々に批判理論における、批判対象に徹底的に向き合うことで生み出される驚異の位置づけ力とまとめ力の尊さを味わえた。2023/03/10
デンプシー
3
なんとなく時間的に逼迫していると感じていたり、せわしく動いている人を見てきた自分にとって、本書の内容は腑に落ちたし、よりこの「加速社会」の解像度を上げることが出来たと思う。著者はこの加速する社会の行く末として4つの悲観的なシナリオ(と1つの決意表明?)を提示していたが、特に「政治的介入によって急ブレーキを踏む」オプションについての記述に考えさせられた。2023/03/12
takao
2
ふむ2024/12/12
百十一
2
時間というものを軸に据えて、近代社会について考える本。 「時間の時間化」や、「フローの空間」などの概念を掴みきれず、最後の方は文字を追うだけになってしまった感があるが、とても面白かった。 社会において時間の流れはどんどん加速しており、技術的加速、社会的加速、生活テンポの加速の3つに分けられる。これらはそれぞれ別の外部の原因を持つだけでなく、互いに強めあってもいる。2023/01/28




