中公新書<br> 日本の後宮 天皇と女性たちの古代史

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中公新書
日本の後宮 天皇と女性たちの古代史

  • 著者名:遠藤みどり【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 中央公論新社(2025/08発売)
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  • ISBN:9784121028709

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内容説明

男性君主のために集められた女性たちと、彼女らが住む空間を指す後宮。天皇家の安定した皇位継承のために創られた。平安時代初期、桓武天皇、嵯峨天皇には各々35人、45人に及ぶ皇子女がおり、そこには彼らを産んだ20人以上の妃・夫人・嬪・女御・更衣という後宮=キサキたちがいた。日本では、男子禁制ではなかったが、中国由来の制度の影響を受け変貌していく。本書は起源から平安末期までの歴史を追い、制度とその実態を描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

119
『源氏物語』で知られる朝廷の後宮成立プロセスは、中国からの直輸入でなく日本史と深く関わっていた。世襲王権の成立で次の天皇を生み育てるため女が集められたが、飛鳥時代に親の身分により序列化と待遇差という制度が生じ、そこに仕える女官組織が成立した。平安期になると桓武・嵯峨両帝が多くの女に手をつけて数十人の子女を儲けると、その扱いや皇位継承絡みで外戚の介入を招き、後宮は天皇に仕えるキサキ予備軍となり女性の自立を失わせた。そこで藤原北家が後宮に女を送り込む権利を独占し摂関家成立に繋がり、政治を左右するに至ったのだ。2025/12/20

neimu

36
高校時代の古典、永井路子や田辺聖子の小説、長岡良子や山岸凉子の漫画でワクワクした古代ロマン、卒論で取り組んだ上代文学の世界を読み解くときに知っておきたかった知識が満載。表や家系図を駆使して比較されているのでわかりやすい。特に、女性官人の活躍、結婚の形態や女性の地位・経済力等、興味は尽きない。夫婦別姓、別居婚・通い婚に思い入れのある人間としては、奥まった後宮に囲い込まれていく過程は考えさせられるものがある。もっとも、いつの時代にも自分の考えと行動力を持つ女性はいただろうが。天皇との関係から整理された女性史。2025/10/20

よっち

29
男性君主のために集められた女性たちと、彼女らが住む空間を指す後宮。中国由来の制度の影響を受け変貌する日本の後宮の起源から平安末期までの歴史を追い制度と実態を描く1冊。古代日本女性の地位と世襲王権が成立する中で序列化されていく女性たち。妃・夫人・嬪や律令制下の女官である氏女と采女といった令制キサキの待遇と役割。平安時代初期に後宮が急拡大し、制度が複雑化していく中で政治と女性の関係は深く絡み合っていて、実際には男女が共同で奉仕して、女官たちも必ずしも天皇の側室ではなかったという点はなかなか興味深かったですね。2025/09/06

MUNEKAZ

19
題材から勝手に逸話メインの内容かと思っていたが、がっつり制度史の話だった。中国由来の律令制を導入したことで、古代日本の後宮、なかんずくキサキの立場はどう変化したのか。次期天皇の「母」として、天皇から独立した封戸を持っていたキサキが、天皇と同居し天皇に従属する「妻」に変化したこと。男性と同等に位階をもらい、天皇のために働いていた女官が、皇后に仕えて天皇の性愛の対象と見られる存在になったこと。この2点を示すことで、王朝が「双系社会」から「父系社会」へと大きく変貌したことを指摘する。通説を見直す刺激的な一冊。2025/10/14

さとうしん

18
日本古代の後宮がテーマだが、それに関連して後宮制度以前のキサキ制の確立、女性皇族の立場、女官制度の変遷、妃・夫人・嬪制の崩壊など、宮中の女性にまつわる制度面についても議論している。日本古代の女官がイコール天皇の妻妾というわけでもなく(結果的にそうなるということは多々あったようだが)、従って宮中に住んでいるわけでもなく、更に男女共同で天皇に奉仕していたというのが意外だった。2025/09/01

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